裁判長は、田中弁護士には
これ以上何を言っても無駄と感じたのか
裁判に付されている一級建築士の専門委員二人の方に
複雑な表情の顔を向けた。
これ以上何を言っても無駄と感じたのか
裁判に付されている一級建築士の専門委員二人の方に
複雑な表情の顔を向けた。
「専門員さん、書類をご覧になって
状況が理解できますか?」
寺田専門員は、それまでの田中弁護士と裁判長のやりとりを
苦々しい表情で聞いていたが、
苦々しい表情で聞いていたが、
「これを書いた人(田中弁護士です!)は
自分だけわかっているのではないでしょうか?
少なくとも私にはさっぱりわかりません。
意味不明な書類です」
と答えた。
意味不明な書類です」
と答えた。
その答えを受けて裁判長は、あごに手をやって
少し迷いながら、再び田中弁護士に質問した。
少し迷いながら、再び田中弁護士に質問した。
「大変失礼なことをお訊ねするのを許してください。
まさかそんなことをしないなんて思っていないんですが
念のために伺います。
まさかそんなことをしないなんて思っていないんですが
念のために伺います。
田中弁護士は、昨日裁判所に提出される前に
この書類に書かれた内容を検証しましたよね?」
田中弁護士はぽかんと口を開けた。
「え?検証してないですよ。
時間がなかったものですから。
私、いろいろ案件を抱えていますしね」
私、いろいろ案件を抱えていますしね」
裁判長の堪忍袋の緒が切れた。
「・・・・これ以上私たちがこの書類を見ても
ばかばかしいので、この件については
おいておきましょう」
田中弁護士の発言を聞いた一同は呆れてしまった。
さすがに空気を察したのか
田中弁護士は、言い訳を矢継ぎ早にまくしたてたが、
それすら、何を言っているのかわからなかった。
それすら、何を言っているのかわからなかった。