寺田専門委員、是永専門委員も突っ込んでくれた。
「タイル工事でも、吹きつけがなくなっているのに
「タイル工事でも、吹きつけがなくなっているのに
その分の金額が減らされていない。
『追加変更』を主張するのであれば、
減った分も明細を出さないと話になりません。
この建設工事は、追加というより、仕様変更ですよね。
増えたものもあれば、減ったものもある。
それを一覧にしないとだめなんですよ」
「増えたのだけ書いて、
減った工事を書いていないのは2重取りですよ」
田中弁護士は、頭をかきながら
説明した。
田中弁護士は、頭をかきながら
説明した。
「一応、工事一覧表には
『減』の項目を入れています」
裁判長の目が光った。
裁判長の目が光った。
「書類上は変更ないのに
請求するとき、減らしてるということですか?
そのことを書類に書いていないのは、困りますね」
田中弁護士は、あわてて説明をする。
「出精値引きをしました。
どんどん追加されていくと
大変な金額になるので、
現場でそのへんを考えながら苦労しているのです。
本当はもっと渡辺氏に請求しないといけないのに
それをなんとか抑えて、この金額にしているんですよ」
※出精値引きとは
経費の見積を出した側が、
自らの努力によって値引きしたことを表す項目のこと。
例えば、100万円の予算に対して
見積額が110万となったときに
見積額が110万となったときに
値引きの明細を出さずに、
『出精値引き10万』として数字を丸める場合などにも用いるものである。
「出精値引きですか?」
裁判長は少し驚いたようだった。
裁判長は少し驚いたようだった。