建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

私は、もう一度説明を繰り返した。

「まず、建物がどのような状態であるか、
 監理報告書等が一切なく、
 状況が全く分からない状態でした。
 耐震に疑問があり、
 おまかせ建設会社専務が構造計算をもう一度すると言っている時に、
 確認申請の手続きだけが進んでいるので、
 確認申請が通ってしまったら、
 それ以上の工事は放棄されてしまうと考えたので、
 手続きを一度止めましたということです」

是永専門委員は、その部分にこだわって追及してきた。

「構造的な事が心配になったのは
 素人の自分たちで計算をされた結果なのですか?
 ハイセンスデザイナー事務所からの報告なのですか?」

「おまかせ建設会社からハイセンスデザイナー事務所に
 『梁がずれている』と連絡があったんです」

寺田専門委員は、意外だという顔で
念を押してきた。

「梁のずれは、ハイセンスデザイナー事務所が見つけたんですか?」

「いえ、おまかせ建設会社の方から
 ハイセンスデザイナー事務所へ連絡が入ったんです。
 それで建築に詳しい人に確認してもらいました」

「そのスリーブはダクト等を通す穴ですか?」

私は、首を横に振った。
「いえ、一階の大きい梁です」

田中弁護士は、そこを詳しく追及されると困るのと思ったのか
あわてて、話題をそらそうとした。

「構造計算上は問題ありません。こちらも確認していますから」

私は、きっと田中弁護士をにらんで
「計算して問題ないのであれば、
 私にそういう正式な報告を頂きたいんです」
と要求した。
 
田中弁護士は、どんどん話をずらしていく。

「相対でしないから、仲介業者を入れたんです。
 それが田辺さんという方なんです」

「そんな事になってないです。
 田辺さんは、関係ないです。

田中弁護士は取り合わない。
「相対でするんなら、わざわざ業者をいれません。
 広く募集をするためには業者が必要でしょ」

裁判長
「多分その田辺さんの関係も
 今までの書面で詳細は書かれていることと思います。
 そこは確認をしておきたいと思うんですけども、
 今後の進行として
 おおむね双方の主張は全部出していただいたという事であらば、
 どこかの段階で
 話し合いによる解決をする段階に近づいていると思います。
 それについてはご意見を伺いたいと思います。
 おまかせ建設会社の方はそれについてどう思いますか?」

田中弁護士は胸を張った。
「主張・立証については出し切っています」

裁判長は、首をかしげて
「先ほど、田中弁護士は
 言い足りてないから、今、調停されたら困る
 という事を言ったと思ったのですが、いいんですか?」
と確認をした。


「追加が別工事だという認定がないまま調停案がでると、
 こちらとしては納得できない案になりますので、
 ある程度、追加なのか追加じゃないのかという心証は
 固めた方がいいと思います」

裁判長は頷きながら
「つまり、追加の判断が曖昧なままでは困るけれども、
 追加があったことを認めたら、
 解決の方向に向かうという事ですか?」
とまとめようとした。

「今日は、今回、裁判長が変わるという事で
 今までの流れを説明するつもりで書面を出しております」

「分かりました。そのつもりで書面を読ませていただきます」

是永専門委員は、田中弁護士に確認を続けた。

「工事が完成した、していないというのは
 工事の進行具合の検討の際、大きな判断材料です。
 でも、今も発注されて請負されている状態が続いております。
 これを早く帰結しない事には、
 工事会社さんの方の残金も支払われないので困ると思います。
 主張を出し尽くしているのであれば、
 調停委員としては、
 今まで出てきた事実をベースに
 結果を協議させて頂こうかと思います」


すると、それを聞いた田中弁護士は、
急に話の矛先を思いもよらない方にもっていったのだ。

「裁判長、専門委員の先ことでは、
 渡辺さんとおまかせ建設会社の間に入ってこられた田辺さんや、
 松本コンサルタントの話も聞いていただきたいです。
 この方たちの話をしないことには、
 こちらとしては主張をし尽くせないと考えております」

なんだって?田辺さん?
この方は、私の裁判とは全く関係のない人なので、
今まで裁判に名前が出てきたことはなかった。
 
この人も、松本コンサルタントの紹介で
おまかせ建設会社で賃貸マンションを建てようとしたらしい。
それが、私とおまかせ建設会社がもめはじめた頃で
私とおまかせ建設会社がもめている理由が気になり
興味をもたれたようで、
私に経緯を聞きに来られた、ということがあった。

知り合いではない。
以降、田辺さんとの関わりもない。
それなのに、田中弁護士は、

「渡辺氏は、田辺さんを間に入れて
 田辺さんを自分の味方につけようと
 おまかせ建設会社の悪口を田辺さんに吹き込んだのですよ」
 
と言い出したのだ。
私にしてみれば、なぜ今ここで田辺さんが登場するのかわからず、
ましてや、自分の味方にしようとしたなんて、
ひどい言いがかりだと驚いた。
これも、田中弁護士のいいかげんな答弁の一環なのか。

しかし、裁判長は、その話を取り上げた。
「それは追加の金額の合意にかかわる立証という事ですか?」

田中弁護士
「そうです。
 裁判長が今まであげた証拠で十分だとおっしゃるのであれば、
 特に取り上げていただかなくてもかまいませんが」

私は黙た。
 梁のずれやコア抜き等々、
 それらの件について話し合うために
 おまかせ建設会社っていられなかった。
「こちらからも発言していいですか?
 おまかせ建設会社が
 『渡辺が売却しようとしている』
 という主張をしている事実はありません。
 
 売却の話については、第三者に売却したいと言ったことはありません。
 何度も答弁しておりますが、
 おまかせ建設会社中山社長自身が言い出したことなのです。
 完成間近になり、
 マンションに色々な不具合がでてきまし社長が家に来ました。
 その時に社長自らが
 『建物に不具合の心配があるのであれば、こちらが買い取ってやる』
 と言って帰っていったんです。
 この時点では、マンションに不具合があるので、
 中山社長が買い取ってくれるのだと、私たちは考えました。
 田辺さんは何の関係もありません。
 そこから工事が止まりまして、
 こちらは『買い取りの話はどうなってるんだ』
 と手紙を出したんですが、無視をされ、
 こちらは工事の状況が分からない状態が続きました。
 確認検査機構等に行って確認検査の状況を調べたら、
 完了検査が行われているという事が分かり、
 そんな状況で完了検査をおろされても困ると思いました」


私は自分から売却の話を出したのではないということを説明したが
寺田専門委員は、
行きがかり上私が思わず話した、完了検査の話に食いついてきた。

「完了検査をしたら、何が困るんですか?」

「耐震性に疑問があったからです。
 スリットの上にタイルが貼られていました。
 追加金に関しても根拠が全く分からない状態でした。
 この状態では残額は払えないと話をしていたんです。
 私たち追加代金を払わないと言ったことはありません。
 追加代金があるならば詳細を教えてくださいと言いました。
 私たちに知識がないから
 ハイセンスデザイン事務所に確認したいと伝えていました。

 梁等にも不安があったので、
 おまかせ建設会社に問い合わせし
 専務より『構造計算をやり直します』
 という連絡ももらっています。
 その後、中山社長が家にこられて、自ら、買い取ると言われたんです」

 裁判長は、苦虫をつぶしたような顔をして、
私に質問してきた。
「今、寺田専門委員は
『完了検査をされたら何故困るか?』という質問をしたのですが
 それの答えになっていませんよ。
 その回答はしないのですか?」

私は、裁判長は、私が今話したことをちゃんと聞いてくれていないと思った。
「田辺さんは関係ないし、売却したいと自分から言い出していない」
と話しているのに、それにはふれずに、
「専門委員の質問に答えていませんよ?」
とあげ足をとって、圧をかけてきたように思った。
私が話したことに対する反応はないのは
平等に扱われていないということだ。
それでも、私は続けて説明をした。

これまでの経緯の説明は続く。

是永専門委員は、田中弁護士に質問するのをやめて
私に質問してきた。
「渡辺さん、裁判でおまかせ建設会社に
 確認申請書副本をお求めになられた理由を教えてください。
 内容を確認する目的ということですか?」

私は頷きながら、さらに詳しく理由を説明した。
「本件訴訟を起こされた当時、
 こちらは図面もなかったんです。
 完成したから追加金を払え、という訴えだけが来ました。
 中身に関して全く分からない状況でした。
 裁判になって、契約時の図面が出てきて、
 確認申請時の図面状況が分らなかったので、請求をしました。 
 訴えられる前から手紙等で、
 『私の発注した建物の状況を確認したいから』と伝えて
 設計図書等の請求をおまかせ建設会社にしておりましたが
 全く取り合ってもらえませんでした」

田中弁護士は、私の発言を鼻で笑った。
「そんなに欲しかったら
 自分たちで努力して、確認すればよかったのに」

「何だと?
 連絡してもおまかせ建設会社は無視し続けたのに
 こっちが何も努力していないみたいに言うな!」
と叫びそうになったが、私はぐっと堪えて、田中弁護士に話をした。

「こちらは追加と言われても、
 状況がわからないので、
 何が追加なのかの判断がつきませんでした。
 それで訴訟を起こしました。
 私も何も行動しなかったわけではありません。
 確認申請の内容を確認するために検査機構へ行ったんです。
 ですが、
 『副本はスローピィ建築事務所<おまかせ建設会社の下請け>に渡しているから、
 検査機構としては、
 いくらあなたが建築依頼主といっても
 確認申請の原本を見せたり、複写して渡したりする事はできません。
 どうしても見たいのであれば
 副本を受け取っているおまかせ建設会社に直接依頼してください』
 と言われました。
 おまかせ建設会社へは何度も依頼していたのですが、
 全て無視されました」

田中弁護士は私が何を言っても、そのことに対する返事はせずに
とにかく代金の支払いをせよしか言わない。
「こちらとしては、
 代金さえきっちり支払ってくれれば、きっちり書類を渡します。
 引き渡さないとは、一言も言っていませんよぉ」

私は食い下がった。
「それだと引き渡してもらう建物の状態が分からないでしょ?
 書類が先だと思います。
 その書類をもらい、建物を確認してから支払うのがセオリーじゃないですか?」

田中弁護士は、やはり、こちらの言い分に対する答えは言わない。
「建物の状況が分からないというのも、立証の話です。
 こちらは、一連の指示を出しているハイセンスデザイナー事務所さんの
 言うとおりにやっていただけなんですよぉ。
 すると、どんどん高くなっていったんです。
 このままじゃ支払いができなくなるので、
 工事を止めてくださいと言ったのは渡辺さん本人じゃないですか。
 
 逐一双方が現場で見ながらやっているので、
 訴訟で提起される前から、建物には入っているでしょ。
 それと仮処分も起こして、
 工事中であるから仮囲いをして表示を出せという訴えも起こしている。
 それで、建物の状況がわからないとか、
 渡辺さんはいったいもう、何言ってるんだか。
 それについては改めて書面で出したいと思います」

是永専門委員は、困ったような顔をして話に加わった。
「当初の計画のお約束に双方のずれがあります。
 図書の内容が分からないという事があると思いますが、
 工事自体は一部ヒアリングでお聞きしましたが、
 条件が整えば工事を再開して頂き、
 お引き渡しを受けるつもりは渡辺さんにありますか?」

私は首を縦にふった。
「はい。もちろんそうです」

「そういう状態であるということですね。
 分かりました。
 代金の事とかその辺も含めて、
 建築確認含め、条件が整えば、
 引き続きの処理するものがあればいいということですね」

田中弁護士が、是永委員との会話に割って入ってきた。
「例えば、エントランスの庇とか計画に入っていたんですが、
 軽微な変更でつけないという事になりました。
 その変更は、追加代金が払えないので
 つけないという確認をとってそうしました」

私は、何を言い出すのかと思わず声を荒げて反論した。
「!!そんな確認はとっておりません。
 こちらには一切連絡がないです」

田中弁護士はこちらの方も向かずにすまして答える。
「追加代金が払えてもらえないので。
 そこのところは人証になりますね。」


是永専門委員が、田中弁護士に訊ねた。
「軽微な変更になったという、記録はあるんですか?」

「確か何個か証拠を出していたかと思います」

「軽微な変更のリストは分かるんですけど、
 これが現場で打合せの記録として、
 お客様かハイセンスデザイナー事務所へ報告をされた記録はありますか?
 私たちも認定をさせていただかないといけないので、
 当初の発注内容から変更になっているものが、
 合意の上での変更かどうか確認したいです」

田中弁護士
「稟議書みたいなもので、本格的なそういうものはないです。
 何故かというと最終の段階にきて
 渡辺氏がお金を払えないという事で、
 売却すると言い出して、売却が前提になり、
 折り合いがつかず止まってしまったんです。
 ですから、渡辺氏は
 ある時点で売却しない事にはどうしようもないと思ったのか、
 『売却できるように建物を完成させましょう』と催促してきたのですよ」

「ええっ!なぜそんなひどい嘘をつくのですか。
 そんな事実は全くありません!」

寺田専門委員
「渡辺さん、ちょっと待って、今は相手の主張を聞きましょう」

ええっ。なぜ私の発言を止めるんだ? 
田中弁護士の嘘発言を許すわけにはいかない。
私ははらわたが煮えくり返った。


田中弁護士は、すました顔で話を続けた。
「売却前提で動いていたもんですから、
 最終の確認する書面は残っていないんですよ」

是永専門委員は、田中弁護士の話を受け入れたかのようだった。
「その辺の期間での変更事項であるという事ですね」

田中弁護士は頷く。
「ほんとの最終です」 

おまかせ建設会社代理の田中弁護士は、建設のことに詳しくなく
審議が進まないので
裁判所は途中から、
1級建築士の寺田氏と是永氏に
専門委員として裁判所より依頼して加わってもらっている。
裁判長が変わっても、この二人も
田中弁護士同様、変わらなかった。

まず田中弁護士は、提出した書類の説明をした。
「確認申請の副本について、
 委員の方から原本を持参するようにご指摘があったので、お持ちしました。
 全てのページに、委員がご指摘された判は押されておりません」

寺田専門委員は原本を手に取り、驚いていた。
「図面にはんこを押さない検査機関なんかないでしょう!?
 それにしても、この原本、すごく薄いですね」

私は、その原本をみせてもらっていないので
原本を確認している専門委員に質問した。
「その確認申請証の中に構造計算書は入っていますか?」

是永専門委員はページをめくりながら答えてくれた。
「入っていませんね。
 確認済証の本証は、おまかせ建設会社の方にあるのですか?」

田中弁護士はばかにしたような目つきで私を見た。
「入っていませんよ。
 当たり前です。お金を払っていない人には渡せません」

(私は即座に
「当たり前です。ちゃんと書類も出せない人にお金は渡せません」
 と言い返したかった)

是永専門委員は、さらに田中弁護士に質問した。
「引き渡しをせずに、書類を持っているということですか?」

寺田専門委員は、書類を丁寧に点検したあと、言った。
「たしかに、どのページにもはんこがありません。
 これは、本当に確認申請書副本として返ってきたものですか?」

是永専門委員も、はんこがないのを確認して田中弁護士に言った。
「これは、確認申請そのものではなく
 抜粋したものですね」

さらに寺田専門委員は追及した。
「普通、図面や書類に、確認検査機関のはんこが押されているものなんです。
 はんこがないというのは、これは正式な書類なのでしょうか?
 少なくとも私が知っている、検査機関や役所では見たことがない。
 図面にはんこが押してないのは初めてです」 

田中弁護士は、そう言われても動じない。
「おまかせ建設会社さんは、
 『はんこを押したものも押していないものもある』と言ってましたよ」

是永専門委員は首をかしげながら言った。
「民間の検査機構ではやり方が違うのでしょうか?
 どちらにしろ、はんこがなくても、これは
 確認申請時の図面と同じものということなんですか?」

専門委員が提出された書類に疑問を呈しているが
裁判長は、全く別の確認を田中弁護士にした。
「とにかく、この資料は、前回指摘されたので
 今日田中弁護士が持ってこられたという位置づけの書類ですね。
 それ以外の主張や証拠はもう出してもらっているということですね」


専門委員が、田中弁護士が出した書類に不備があると言っているのに
裁判長は、その書類の不備には触れず
やっつけ仕事的に
「出さないといけない書類は、もうありませんね?」
という話し方なので、驚いた。

はんこがないとか、
構造計算書が入っていないとか
薄いとか
明らかに専門委員が指摘している内容に対して
田中弁護士にきちんと確かめないのは
なぜなんだろう?

裁判の進行はとても遅い。
1回裁判を行うと次は2ヶ月後などという感じだ。
 
4月から3年ほどお世話になった裁判官が変わった。
人事異動だ。
新裁判長となったので
まずこれまでの流れの整理を行うことから裁判が再開した。

新しい裁判長は、話の分かる人であればいいのにと
祈りながら裁判所に向かったのだった。

●裁判再開その1●

裁判長は、事前に資料を読んでいたようだった。
「経緯は書類にて確認させていただきました。
 おまかせ建設会社は、建てたマンションは完成したと主張して
 追加工事と残り代金の支払いを求めており
 渡辺氏は、建物の完成がまだなので支払えないという主張をしているのですね?」

私は頷いた。
「はい。完成していないから引き渡しもされていません。
 完成していないから、支払いの義務もないと主張しています」

「ふうむ。渡辺氏は、どういう理由で
 建物ができていないと判断しているのですか?」

「そもそも、完成したという連絡すらいただいていない状態で
 おまかせ建設会社からこの裁判を起こされました。
 裁判を起こされた段階で、私は建物の現状すら知らされていませんでした。
 最近になって、施主完了検査をした結果、
 建物が未完成の部分や、
 修理が必要な箇所が多数あることがわかりました。
 この検査は行政検査ではなく、施主の検査です。
 建物に多数の未施工があることは検査して初めて知り、
 裁判前には知らなかったので
 発注したとおりの建物ができていないと確認したため
 未完成だと主張させていただいております」

裁判長は、書類に視線を落としながら、私に再度確認をした。
「主張はわかりました。
 そして、追加工事の関係では、
 本来やるべき工事の範囲なので
 追加ではないという主張ですね?
 瑕疵の主張はないということですが、
 それはどういうことなんでしょうか?」

「施主完了検査の結果を書いている書類では、
 瑕疵だという主張ではなく
 請負契約時の図面通りのものができていないので
 工事が未了であるということを主張したいということです
 瑕疵がないという判断をしているわけではありません」


裁判長は書類の内容を確かめてくる。
「わかりました。
 本件、おまかせ建設会社からの主張やそれに対する書証、
 それに対する渡辺氏の反論は
 もう出尽くしているという認識でよいですか?」

田中弁護士と私は、首を縦にふって
「はい」と答えた。

私は、裁判長が変わったことで
審議がテキパキ進むことを祈っていた。
正直今までの進行はぐだぐだとして
話が先に進まないことが多かったのだ。

あいかわらず
おまかせ建設会社は、
田中弁護士を代理人にして
全く社長を初めとする関係者が出てこなかった。
弁護士に丸投げ状態なのである。

私としては田中弁護士も裁判長の変更と同時に変わってほしかったが、
変わらなかったので、少しがっかりした。
でもそんなことで弱音を吐くわけにはいかない。
このまま頑張るしかない。

おだやかな様子見の雰囲気で始まった今回の裁判だったが、
裁判が進むにつれて
裁判の進行が以前と変わっていることに気づいた。

なかなかの問題発言が
田中弁護士以外から出てきたのだ。

↑このページのトップヘ