松本コンサルタントに
仮設事務所を作らないのかと訊ねると

「コスト削減しないとあかんからね、
仮設事務所を作ることは考えてませんのや。
細々とした所でコストを減らすことで
拓也くんの払う金額を少しでも安くしようと頑張ってるねん。
綿密な連絡を欠かしていないから、心配ないで」
と豪語していた。

車も路上駐車が多く、そのことを言うと
「大丈夫。ちょっと停めているだけだし、
通行の邪魔にはなっていないので」
という答えだった。

それらは全部その場しのぎの言い逃れで
実際には多大な迷惑をご近所におかけしていたわけなのだが。

コンサルや建設会社には、はらわたが煮えくり返っているが
ご近所の皆さんには
いくらお詫びを申し上げても足りないくらいだと
頭を下げ続けたい。


問題がこじれていったので
私の手には負えないと感じ始めていた。

そこで私は、よい弁護士を求めて
弁護士事務所5軒ぐらいに相談しにいった。
でも、話をすると、どの弁護士もお手上げ状態だとおっしゃる。
原因は、契約書にあった。

私の持っていた契約書は、
「四会連合協定」という
一般的な請負契約に使われるテンプレートで書かれたもので、
通常観念における契約書ではないと指摘された。

この契約書の前提として、
設計&監理と施工が別と書かれているところが
話にならないくらい問題なのだと言われた。

建物に関わる工事請負契約書は
本来、設計図書や内訳明細書がつき、
100ページ~300ページとかなりなボリュームになる。
しかし、私の契約書は契約書と約款のみで、
20ページぐらいしかない。

本来は契約書に、
設計士が設計して、施工会社が見積もりをした時、
根拠となる図面を付けたり、
見積もりや、見積もりの根拠となる明細書
(壁紙が何平米か?ドアが何枚でいくらか?)
建物工事標準仕様書、瑕疵担保責任の表記などを明記しないといけない。

それが、私の契約書には何も記載されていない。
請負金額しか書いていないので
悪い言い方をすれば
何を使って何を作っても、いいことになってしまう。
さらにいくらでも追加金が請求出来てしまう。

実際におまかせ建設会社は
多額な追加料金を
明細も書かずに請求してきた。

どの弁護士からも
「なぜ、この様な契約書で契約をしようと考えたのか?
 建築会社がいいようにつくられているではないか。
 渡辺さんは、いいように言いくるめられたんですよ」
と、メチャクチャダメ出しを受けた。