おまかせ建築会社
第一回裁判準備書面に対する私の反論である。

民事裁判は、主に書面でお互いの主張を述べるという形式で進んで行く。

次の裁判に向けて
まず訴えた方(=原告)から準備書面が届くので
それに対して、私(=被告)が
反論を書いた。

初めての準備書面は
おまかせ建設会社が出してきた準備書面の齟齬(そご)を正し
矛盾を明らかにし
真実を白日の下にさらすよう訴えることに終始した。

<第一回裁判・渡辺拓也側・準備書面>

★ 工事の完成:引き渡しと工事品支払いについて

私は、おまかせ建設会社から
本件建物の工事が完了した旨の報告を受けたことがなく
私は工事が完成しているかどうか、知らない。

おまかせ建設会社は、
工事が完了したら、発注者である私に説明をし
私が承認しないと完了とはならないはずである。

おまかせ建設会社は、私に完了の報告をしていないのに
お金だけを払えと主張するのはおかしい。

また以下の3点から、おまかせ建設会社は
まだ工事を完了していないと私は主張する。

1.おまかせ建設会社は工事完成に伴う発注者の検査を合格していない。
2.おまかせ建設会社は工事完成に伴う法定検査を受けていない。
3.おまかせ建設会社は施主に設計図一式を提出していない。

 私は、契約前から
ハイセンスデザイナー建築事務所のデザインで
マンションを建てるということを
建築の条件として明言していた。

そのことはおまかせ建設会社も
承知していた。

おまかせ建設会社が、設計作業を行っていた時期に
ハイセンスデザイナー建築事務所が
再三にわたって面談やメールで、
おまかせ建設会社の担当者に
私の建物に対する希望を
図面、書面、さらには口頭での説明も加えて伝えており
おまかせ建設会社は、
その希望を設計図に盛り込んで作成した。

ハイセンスデザイナー建築事務所に
私の希望する仕様やデザインを伝えた資料は残っている。
その内容を盛り込んだ設計図の一部を私は受け取り
ハイセンスデザイナー建築事務所の設計図には
ちゃんと希望が反映されていたことを確認している。

しかし、デザイナーも私も、最終的な設計図一式を
おまかせ建設会社から受け取っていない。

契約時には設計図一式を
契約当事者と請負者双方がもっておかないといけないはずであるが、
渡されなかったため、
契約時における設計図に示された建物内容を認識していない。
これは、設計業務を受注した
おまかせ建設会社の業務不履行である。

おまかせ建設会社は「工事が完了した」と言っているが
その前に工事監理の結果を書面に記録して
私に出して説明してほしい。

それに
おまかせ建設会社は「工事は完了した」と主張しているが、
その完了日と主張している日以降も工事は続き、
多くの作業員が出入りして作業している事実があるので
完了したといえるはずがない。

おまかせ建設会社が追加工事と言っているのは
契約時にお願いした工事ばかりであるので
「追加工事が発生した」
というのは
「契約時に請け負った工事がまだ終わっていない。」
ということを自ら白状していることになる。

それでもなお、「追加工事をした」というのであれば
その証拠として、どんな工事をしたのか
書面で明らかにせよ。