建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2022年09月

外から見ても、工事の遅れが著しいのがわかる。
その上、「3月末に完成するのか?」と問い合わせても
誰も答えてくれない。

不安が日増しに大きくなっていった。

私のマンション担当から返事をもらえないまま困っていると
おまかせ建設会社の
別の現場を担当している、現場監督吉田という人から
 「今は、昨年秋に起きた災害の対応で
  建物建築依頼、補修依頼が多くて
  職人さんの確保が難しく
  人手不足になっている。
  だから、建築会社がパンクしそうなくらい多忙で
  工事を早くするという対応が、難しい。
  ”納期に合わせろ”とこちらから工事を急かすと
  職人が、見えない所で手を抜いた工事を行う可能性も高いんですよ。
  突貫で手抜き工事されても困るので、
  うちの会社としては、急がせたくないんですよね」
などと、工期を間に合わせようとする姿勢が全くない話を聞いた。

ええっ?私の担当者からはそんな話
全く聞かされていない!
その話が本当なら
「職人が確保できない」なんて今さら言われても困ると腹が立った。

そんな中、おまかせ建設会社からやっとメールがきたと思ったら
「上棟日は、3月21日に予定しております」
と書かれていたので、思わず目を疑った。

えええええっ!!
3月中旬に上棟するようでは
とても3月下旬に建物は完成しないではないか。

驚きと怒りで頭がいっぱいになった。
間に合うのか何度も問い合わせても
返答がなかったのは
全く間に合わないことが
わかっていたからなのだろうと歯ぎしりした。

おまかせ建設会社には腹が立ったが
とにかく私には優先しないといけないことができた。
こちらは、入居者募集を順調に進めている。
入居募集パンフレットには
「4月から入居できます」
と書いていたので、
募集要項を書いたパンフレットを配った
不動産仲介会社に
「4月入居はできない可能性が高くなりました」
とお詫びの連絡をしないといけないことになり
その対応をしないといけないはめになったのだった。

契約したときは、会社勤めで別の県に住んでいたから
なかなか工事の進捗状況を把握しにくい部分が
あったことは否めなかった。

私の賃貸マンションは、
2018年7月下旬に工事着工となっていた。
しかし、8月に入っても工事に入る気配がなく
2ヶ月程の遅れて工事が始まったようで
遅れが発生していることには気づいていた。

しかし、遅れが発生していることもついて
松本コンサルタントから何も連絡がなかったし、
おまかせ建設会社からも報告がなかったので
こちらから、工事現場を見に来て気づいた時に
松本氏に確認をしていたが、
松本コンサルタントは
 「これくらいの遅れはよくあることです。
  大丈夫ですよ」
  「行政手続きでいろいろ言われたり、
  オリンピック関係で工事業者が少なくなっており、
  杭打ち機や職人の確保が難しいので、
  開始が遅れただけです」
とあまり取り合ってくれなかったので
大丈夫なのかなと思っていた。

建物建築に関しては
おまかせ建設会社を全面的に信頼していたので、
まちがいなく工事が進んでいると
油断していた。

年が明けて2019年1月
工程表を確かめてみれば
マンション建築は、3~4ヶ月ほど遅れていた。

開始のときよりさらに遅れ具合がひどくなっていたのだ。
さすがに不安になり、
おまかせ建築会社の現場監督、結城さんに
 「私は、完成が3月下旬と思って
  入居者募集の活動に入っています。
  しかし、工事が大幅に遅れているのではありませんか?
  予定通り3月に工事は終了するのですか?」
と工事完成時期の確認をしたが、
結城さんからは、明確な返答がなかった。

入居者募集活動を順調に進めている私としては
現場監督から答えがもらえないため
何度もおまかせ建設会社に連絡したが
おまかせ建設会社の誰からも
工事の完成時期の見通しを教えてもらえなかった。

不安が募るばかりだった・・・・・

かくして、地鎮祭は行われなかったが、
マンションの建築契約は正式に締結され、
工事も着工したので、
仮契約の時の計画からはかなり遅れてはいたが
心はときめいていた。

当時私は、別の県でサラリーマンをしていた。
新築マンションを建てるために購入した土地は
私の実家のある地域だ。
マンションが建てば、
私の賃貸住宅経営者としての生活が始まる。

そのため、私は、
新卒から勤めていた会社をやめ、脱サラし、
賃貸マンション経営に専念するため
妻と子どもと共に、実家の近くに引っ越してきた。


次に私がすることは、
松本コンサルタントと相談しながら
マンションの入居者募集をすることだ。

「おまかせ建設会社」が提示した契約工期は
2019年3月だから、
ちょうど2019年4月入居可能となるはずだ。
新生活が始まる人たちに向けての募集ができる!


私は、当時身重の妻と協力し、
マンションの入居者募集の資料を作成した。

そして、12月頃から
たくさんの不動産仲介会社を訪問して
物件の紹介をした。

どの不動産仲介会社も
「これはよさそうな物件ですね」
と言ってくれて、感触もよかった。

建物の建設は「おまかせ建設会社」に委託しているので
私の仕事は、
マンションオーナーとして、入居者を集め、
空き部屋を作らないようにする努力をすることである。

賃貸マンションは、
完成すると多くの人が利用してくれるだけでなく
将来において、不動産として社会に流通する可能性もあるので、
その利用者・近隣のみならず、
大きな社会的資産でもあるから、
「こんなマンションが近隣に建築されますよ」
という周知の徹底もはかりたいと私は思った。


この頃の私は、
不動産仲介会社巡りで忙しかったが
楽しかったなあと、当時を思い出してはため息をついてしまう。

「地鎮祭」とは、
土木工事や建築などで工事を始める際に、
着工工事の前に土地の神(氏神)様に対して
これから工事を行う許しを得て、
安全を祈願する行事である。

規模によってやり方は多少異なるが、
基本的には土地の四方に青竹を立て、
そこをしめ縄で囲って祭場とし、
神主をはじめ、
建設業者や施主など関係者が集まって
安全祈願を行う儀式のことだ。

私の賃貸マンションは、
予定通り、2018年7月下旬に工事着工した。
私は、当然、工事に入る前に
「地鎮祭」を行うと思っていた。

マンションで行う地鎮祭に関しては、
やるべきかどうかの明確な基準はないとは聞いていた。
それでも上棟式や竣工式に比べると、
地鎮祭を行う業者の割合は高いらしい。

私は信心深い方ではないかもしれないが
何かあってから
『あのとき、やらなかったから……』
と思うのは嫌なので
世間の人が験担ぎですることは
私もしたいと考えていたのだ。

ところが

 「地鎮祭?やる予定はありませんよ。
  おまかせ建設会社では、
  少しでも建築代金を下げるため
  地鎮祭なんてのは、基本的にやらないのです」

と松本氏が言ったので、驚いた。
地鎮祭の費用は諸経費に入り、
それを行うか決定するのは、建築業者であるというのだ。

今思えば、おまかせ建設会社は
地鎮祭の段取りも
面倒くさかったのではないかと思う。

妻絵理菜は、地元で数多くの地鎮祭を見てきていたし
私自身も
これから始まる大工事に対して
竣工まで安全に工事が進みますようにと
お願いする、神聖な行事ととらえていた。

子どもの宮参り、七五三などと同じく
特に信仰心が厚くなくても
(それではいけないのかもしれないけれど)、
地鎮祭は「建築を始めます」という
世間では、よく行われている行事だと思う。

地鎮祭の後は、業者が集まる機会でもあるので
業者と一緒に
「工事の間、お騒がせします」
という近所挨拶に回ることも多いとセミナーでも聞いていた。

それをやらなかったから
その後、こんな裁判沙汰になるまでもめてしまったのかもしれない。
原因をそこにも求めてしまう自分がいる。

2018年6月に締結した請負工事契約は
次のようなものであった。

★発注者…渡辺拓也

★請負者…おまかせ建設工業株式会社 

★請負代金額…約2億1000万円

★工事の期間…2018年7月下旬~2019年3月末日

★建物の概要…RC5階建て

★契約日…2018年6月吉日

★契約時出席者

 渡辺拓哉と妻絵理菜、連帯保証人となる家族の母渡辺綾子

 おまかせ建設会社 営業部長安田武雄・松本コンサルタント

 

工事費は、松本コンサルタントの指示通り

地域センター信用金庫から融資を受けることとしたが

おまかせ建設会社が

着工事費用を請求してきたので

この日、地域センター信用金庫ベシニティ支店にて

着工事費 7500万円を振り込みで支払った。

私が一番気にしていたマンションのデザインのことだが
おまかせ建設会社の安田営業部長が
仮契約の前にハイセンスデザイナー建築事務所に行き
アドルフ坂井氏から、
私の希望する条件を組み込んでつくった図面(甲1号証)を
ちゃんと渡してもらい
おまかせ建設会社に持ち帰ったということを聞いたので
「1年前の仮契約時に、既にデザイン図面が伝わっているのなら
何も問題はないな」
とそのことは安心していた。

 

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