建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2022年11月

デザイナーの指示を取り入れず
自社の「標準パック」(自社独自で作成しているらしい建築)で
見積もりを出し
図面も見積金額明細も
施主には渡していなかったことを認めたおまかせ建設会社。

それどころかマンションの構造自体に
大きな問題があるのではないかと指摘したら
根幹部分が見えないように隠してしまっているのを見て
私は困り果てた。

工事を中止して欲しいという要請も無視。
工事の疑問にも何も返答をしてくれない。

私はわらにもすがる思いで
かつて参加させてもらっていた「賃貸住宅経営の会」
の講師をしていた吉野さんに相談をすることにした。

マンション経営をすることを決める前に
私はあちこちのセミナーに参加して
経営のノウハウを学んでいたのだ。

そこでは、大家としての心構えや
注意事項を教えてもらっていたので
建築のトラブルを相談することに対して迷いはあったが
吉野講師はとても気さくな方で
当時もいろいろ質問していたため
思い切って連絡をとり、話を聞いてもらった。
吉野さんは、
私がサラリーマンをしていた時に住んでいた県在住の方である。

吉野さんは心配してくれて
「それはかなりややこしいことになっていますね。
ただ、私は、渡辺さんのお住まいとは離れているので
そちらに見に行くこともできないし
具体的に行動を起こすことは難しいから
実際に賃貸住宅をたくさん所有しておられて
今渡辺さんのマンション建築地に
近い所に住んでいる人に相談するのが
よいかと思います。
とりあえず『賃貸住宅経営の会』の会長、満月さんに
相談してみたらどうでしょうか?」
とアドバイスをしてくれた。

それで、満月さんにこのことを相談したら、
なんと満月さんは、
おまかせ建設会社社長と知り合いだという。

私からのいきさつを聞くなり
「そんなことをしていると
おまかせ建設会社も信用を失う。
私が話をしよう!」
と言って、満月会長がひと肌脱いでくださることとなり
おまかせ建設会社の中山社長に
連絡をしてくださったのだ。

事態は急速に進展した。
さすがに満月会長の威光はすごかった。

満月会長ががおまかせ建設に連絡をしてくださったところ、
あれだけ催促しても
一ヶ月間、何も連絡をしてこなかったし
前は会社に呼びつけられたのに
なんと私の家に
おまかせ建設会社の中山社長が来ることになったのである。

そもそも、松本コンサルタントのいう”追加料金”は
私が追加注文したものでなく
おまかせ建設会社が
私の指定した仕様の設計をさぼり
勝手に「自社の標準工事セット」でマンションを建てていたことに
由来する金額だと思ったので、
私は一銭も払うつもりはなく
むしろ急ぐべきことは、
一刻も早く耐震仕様になっていない欠陥工事を中止して、
私が求めている「耐震強度の高い工事」をすることだと思った。

欠陥工事の件をできるだけ早く対処してほしかったので
話のベクトルが全く違う松本コンサルタントには
この件から手を引いてくれと言ったけれども、
「おまかせ建設会社の手紙は必要ない」など言っていない。
中山専務からの会社対応の書面は待ち続けていた。
結局、おまかせ建設会社からの書面はこなかったのだけれど。

書面の待っている間も、工事のことが気になって
工事現場を見に行くと
欠陥工事をやめるどころか
私が指摘した「耐震上問題のある構造」の隠蔽工事が
せっせと行われていたではないか!

貫通穴が開けられた梁には配管が施工され、
構造スリットがない部分もボードが張られ、
壁紙等で「ヤバイ部分」が隠れるように
構造が見えなくなる工事が突貫で行われていた。

目の前から見えなくなれば
気にしないだろうと思ったのだろうか?
幼児じゃあるまいし。

上からボードや壁紙で隠されてしまっては
私が指摘している構造上の欠陥が
外からでは見えなくなり
指摘しても調査できなくなってしまう。

大手建設会社が、
こんな「臭いものにふた」のようなごまかしをするとは
とても信じられなかった。

私の疑問に対する回答もなく
設計図の提供もないまま
工事はどんどん進んでいくのは
信じられないし、許されない。

現場には、鉄筋を切断しコア抜きされたコンクリートの塊が
30個近く転がっている状態だった。

耐震計算をするためには、
すべての穴の個所と
鉄筋切断の状況を調べる必要があるため
これ以上隠蔽工作されないように
おまかせ建設会社の中山専務に
工事の一時中断を要請することを決断し、
「とにかく工事を中断してほしい」とメールをしたのは
おまかせ建設会社に話をしにいった日から4日目だった。

おまかせ建設会社の中山専務と話をして
「会社の対応を2.3日中に書面で回答する」
と言われ、その書面を待っていたときに
ハイセンスデザイナー建築事務所の
アドルフ坂井氏から聞いた話は驚くべき内容だった。

今思えば、松本コンサルタントが間に入っていたことが
私が直接、坂井氏と話をするという選択をとらなかった理由だと思う。
言い訳になってしまうが
おまかせ建設会社に坂井氏も一緒に乗り込むまで
私は、あまりハイセンスデザイナー事務所に連絡をしていなかった。

「建築の方は、私がデザイナーと建設会社の橋渡しをして
ちゃんと進めるから
拓也くんは、部屋を満室にする努力をしておいてや。
こっちは任せといて。
分業して進めるのが、効率いいからな」
と言う松本さんの話を鵜呑みにして
賃貸経営者としての行動に専念していた。

最初に、マンションをどういうデザインにするかという
打ち合わせは念入りに行ったが
それ以降、そのデザインが反映された建築が進んでいるとばかり思っていたから
デザイナーに連絡をすることはなかった。

ただ、建築工事の遅れが気になり
様子を見に行って、いろいろ問題点があることに気づいただけだった。

おまかせ建設会社に出かけた時に
アドルフ坂井氏から聞いた話は耳を疑うものばかりだった。

「デザインの話は渡辺さんと詳しく話を詰めましたが
後は、松本貴之氏が建築会社との間に入るとのことだったので
それ以降は渡辺さんには連絡しませんでした。
私もこの業界で長く仕事をしていますが
それはもう、耳と目を疑うことばかりです」

ため息をつきながら、
坂井氏は今までの経緯、困りごとを説明してくれた。

(1)
おまかせ建築会社とはなかなか連絡がとれず、
やっと連絡が取れたときでも、
一度たりとも時間通りに打ち合わせに来たことはなかった。
30分、1時間待ちもザラ。
当日連絡なしでのドタキャンも、数え切れず、
来るだけましと考えるしかなかった。

(2)
私は日本で30年間デザイナーとして
いろんなゼネコンとやり取りしてきたが、
ここまで時間にルーズで、舐めた態度をとる会社は初めて。
普通の会社ではないと感じている。

(3)
施工図面が上がっておらず、
まだなのかと思っていたら、
デザイナー側の承諾もとらずに
エントランス回りを作り始めていた。
あわててデザインをみてみると
私がデザインしているものとは
違った施工がされている。
図面はないのに、作っている。

そもそも、図面がない状態で
どうやって作業を進めているか不思議。

(4)
現場に現場事務所がなく、
話をしたくても、落ち着いて話せる場所がない。
なんだかわからない図面が地面に散らかっていたり、
施工が間違っていたりしているが、
正しい指示をしている人間がいない。
監督責任が果たされていないのではないか。

(5)
「メゾネット部分の梁がずれているが、
施主の渡辺氏に説明しているのか?」
と現場監督の米村氏に聞いたら、
「それはもちろん、施主さまに説明します」
と答えたので、安心した。

しかしそれから約二か月たっても、
おまかせ建設会社から何も連絡がなかった。

梁がずれたら、デザインも変わるから
どうしても渡辺さんと相談しないといけないと思い、
私から渡辺さんに
「梁がずれていることで
デザインを変更しないといけないけれど
どうしたらいいのか、何も連絡がないから心配している」
と連絡したら
渡辺さんは、梁のずれのことを知らなかった。
現場監督は、梁がずれていることを渡辺さんに伝えておらず
ずれたまま、建築を続けていたことが発覚した。

(6)
あちこち穴が開いているが
鉄筋もろとも開けてしまっている穴に関しては、
むき出しになっている鉄筋が錆びることにより、
そこから浸食が進むことがあるので、
さび止めをきちんと施しているかを
渡辺さん自身の目で確かめた方がいい。


今後の対応に関しては
「書面で正式に伝える」
と専務が直接私たちに言っていたにも拘らず、
私にも、デザイナー事務所にも
待てど暮らせど
おまかせ建設会社からの
正式回答書面は届かなかった。

当日の夜に松本コンサルタントからかかってきた電話で
対応は終わったというつもりなのだろうか?

私が待っていた正式回答の根幹は
建築の遅れと建築の不備と、
ハイセンスデザイナー事務所からの
「なぜ全然連絡をとってくれなかったのか?
それでもこちらはちゃんと資料を送ったから
返答がなくても、それをきちんと反映してくれたのではなかったのか」
という疑問と憤りに対する答えだ。

そもそも松本さんは電話で
追加料金のことしか話をしなかった。
しかも、松本コンサルタント自体、自身の怠慢にはふれず、
さも自分が値切ってやったとばかりに、電話で言っていた。
 
追加金に関して、
納得のいく説明が、
おまかせ建設会社での話し合いでは何もされていないのに、
何故私が払わないといけないのだろうか?

契約の前に、
デザイナー指定の仕様の資料が
デザイナーから提出され
ちゃんと建設会社に届いていたのに放置した。
それを加味した契約書、図面を作成せずに、
勝手に自分たちの「標準仕様」だけで見積もりを出して
ずさんな契約をしてしまったことを、
会社の会議室で認めたではないか!

中山専務は、本当に、松本さんがかけてきた1本の電話だけで
「正式な回答を書面でする」と言った約束を反故にするつもりなのか?
おまかせ建設会社からの連絡を待っている日が過ぎていくほど
それに比例して怒りが膨れ上がっていった。

おまかせ建設会社は、かなり大手の建設会社である。
そんな会社がこんないい加減な対応をすることが
信じられなかった。
 
松本コンサルトには、
「電話ですませることなく、
 必ず、約束通り、
 専務からの書面で回答してください」
 と伝えた。

直接おまかせ建設会社のTOPと話をしたのだから
このように、松本コンサルタントが間に入ってくるとややこしくなると考え
私は、「今後、この件については、直接中山専務と話し合うので
松本コンサルタントは、間に入らないでくれ」と伝えたのだった。

今後の対応に関しては
「書面で正式に伝える」ということで、話し合いは終わり
私たちは帰ることになった。

おまかせ建設会社は
駅から徒歩20分も離れている場所にあるので
帰りもタクシーを呼んだが
帰りのタクシーを待っている間も、
中山専務、山本部長はさっさとどこかに行ってしまい、
謝罪の言葉どころか、見送りすらなかった。

普通は
「本日は遠方の弊社までわざわざ足をお運び下さり
 ありがとうございました。
 どうぞ、お気をつけてお帰り下さい」
ぐらいの声をかけるのが大人の対応というか
社会人としてのマナーではないのか?

その日の夜松本コンサルタントから電話があった。

「今日はお疲れさんでした。

 内情を言うとさ、
 ほんまの追加料金は2500万円どころじゃなかったんやで。
 えらい高い金額になってしまってたんや。 

 それで私が社長に掛け合い、追加金に関して、

 『拓也くんはまだ若いし、払える金額に限度がある。
 私の連れてきた客なんやし、値引きしてくれないと困る』って
 あの後、社長に交渉したげたんやで。
 
 社長は『かかった金額は払ってもらわないとこっちも商売やから』
 と言って、値引きをしぶったけれど
 拓也くんが払える可能性のある金額の2500万円まで

 値引きをしてくれるよう交渉してあげた。

 普通こんなに値引きするなんてこと
 私の紹介じゃなかったら、とても無理やったんや。
 そういうわけで、2500万円追加というのは
 私との関係で、採算度外視で値引きしてくれた結果やから
 これ以上の値引きはできるはずがないねん。
 拓也くんが、デザインにこだわったから

 払わないといけない金額なんやで。
 追加料金は2500万円必要ということになった。
 
 そのことを後でおまかせ建設の中山専務と相談して
 『私から渡辺拓也くんに伝えて
 2500万円は拓也くんに支払ってもらいます』
 と言ったら、中山専務も了承してくれた。
 よかったな」

開いた口がふさがらなかった。
松本さんは、私が建築面での問題点を指摘したとき
「それは直接おまかせ建設会社の専務に言いなはれ」
と言ったから、この暑い中、坂井デザイナーにも
デザイナー事務所の人にも都合をつけてもらって
遠いおまかせ建設会社まで出向いてもらったのに。

今日主張した事に対する回答ももらっていないのに
なぜ追加料金のことを電話してくるのだ?
今日の話し合いのことではないのか?
第一、追加料金を支払う理由がどこにあるのか
今日は何も話し合われなかったではないか。

松本さんが私にこんな電話をしてきた意味が全くわからなかった。
話がかみあっていない。
 

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