建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2022年12月

この建設会社には
客観的に判断することのできる人間はいないのか?
私にはそう思えた。

私がおまかせ建設会社を訴えるというのならまだしも
おまかせ建設会社は、発注者である私に
設計図も明細も何も渡さず、
デザイナーが指示したデザインでない建物を
ご近所様の迷惑を顧みずにガンガン建てて
明細もない追加料金まで要求してきた。

そんな道理の通らないことをしておいて
その建築会社が私を訴える?
私が必要経費を支払わないから訴える?

は?

どの口がそれを言うのだ?

と、呆れて言葉が出なかった。

私はお金を払わないなど一言も言っていない。
引き渡しの時の残金を支払っていないだけで
(それは、完成していないから。
 完成していないのに、払う人はいないでしょ?)、

そこまでの代金は完済している。

1.図面をもらい、明細をもらい

2.図面通りに耐震構造のしっかり施された

  デザイナーが設計した通りの建物を

3.約束した工期通りにきちんと建ててもらえれば

ちゃんと、正当な経費はお支払いするつもりである。


銀行と融資の契約もすませてある。


それが建築途中から雲行きがあやしくなり
なんだか建物がちゃんと建てられていないようだし
質問にも答えてもらっていないから

社長と話し合いをしたわけである。

「それならうちで買い取る」

おまかせ建設会社社長が、自ら言い出したのだ。

買い取る話はどこにいったのだろう?


私の当然の権利である請求に対して何も応えず、

明細も図面もこちらに渡さない。

それなのにいきなり
明細もわからない膨大なお金を追加料金として請求してきて

私が支払ってくれないから

契約者(私)が悪い、って

筋の通る話ではないだろう。

弁護士に相談しても
「この契約書じゃ、勝てませんよ」
とさじを投げられ、
おまかせ建設会社からは相変わらず返事が来ない。

そして、耐震偽装を隠蔽するようかのように
ご近所様への迷惑も顧みず
工事中止もしてくれないおまかせ建設会社。

私は万策尽きて
地方自治の責任者に
陳情書を提出することにした。

おまかせ建設会社からは
建築の詳細についての書類をもらっていないので
今までの経過報告を時系列にまとめたものと、
そしてかろうじてもらった、形ばかりの請負契約書。

それらを添えて、
 「この建設会社は
  一級建築士と名乗っているので
  ちゃんと都道府県に申請を出しているはずである。
  その内容を建築主である私がもらっていないという
  異常事態になっている。
  これからの監督責任は
  都道府県にはあるはずである。
  きちんと指導してほしい」
と書いた。

もはや行政指導にたよるしかないから、
これが最後の綱だと思った。

私が地方自治の責任者に陳情した陳情書は、受理され、
行政は動いてくれた。
行政が調査にのりだしてくれる!
解決の糸口が見えたと思った。

私は、とにかく耐震構造のしっかりした建物を建てたい、
その一念でいろいろ動いてきたのだが、
建築を頼んだコンサルタント
建設会社(設計~監査~建築)が、
私の知識がたりないことをいいことに
自分たちが儲かるように適当なことをした。

いくら話し合いをしようとしても
正当な要求をしても、取り合ってくれず
鴨がネギを背負ってやってきたとばかりに
自分が金儲けの食い物にされてしまっていたことを
今では十分自覚していた。

でも、建設会社が私たちにしていることを
白日の下にさらしたら
向こうの非はあきらかになるはずだ。

私の切り札は、その調査をお願いした陳情書であった。

でも、調査に入ってくれることになって喜んだのはつかの間だったのだ。
調査に動き始めて指導が入ろうとしたとき
おまかせ建設会社は
トンデモナイ行動に打って出てきた。

 「依頼主である渡辺拓哉は
  私どもの建設会社にマンション建設を発注しておきながら
  経費を支払っていない。
  請求しても払わない。
  だから、おまかせ建設会社は被害を被っているので渡辺拓哉を訴える」

弁護士を立てて宣言してきた。

行政は、おまかせ建設会社が私を訴えてきたことで
「民事不介入」と言って
動きをとめてしまったのだった。

行政はもう調査してくれないとわかったとき
私は慟哭した。

痛烈に指導してほしかったのに。
そんな理不尽な建設会社の仕事を
行政は調べてくれないのか。
調べさせないように、
裁判に打って出たおまかせ建設会社の狡猾さに
はらわたが煮えくり返った。

しかし、これは私の戦いが始まる序章のプロローグに過ぎなかった。
これから先も何度も煮え湯を飲まされることになることは
このときは、まだ予想できなかった私であった。

松本コンサルタントに
仮設事務所を作らないのかと訊ねると

「コスト削減しないとあかんからね、
仮設事務所を作ることは考えてませんのや。
細々とした所でコストを減らすことで
拓也くんの払う金額を少しでも安くしようと頑張ってるねん。
綿密な連絡を欠かしていないから、心配ないで」
と豪語していた。

車も路上駐車が多く、そのことを言うと
「大丈夫。ちょっと停めているだけだし、
通行の邪魔にはなっていないので」
という答えだった。

それらは全部その場しのぎの言い逃れで
実際には多大な迷惑をご近所におかけしていたわけなのだが。

コンサルや建設会社には、はらわたが煮えくり返っているが
ご近所の皆さんには
いくらお詫びを申し上げても足りないくらいだと
頭を下げ続けたい。


問題がこじれていったので
私の手には負えないと感じ始めていた。

そこで私は、よい弁護士を求めて
弁護士事務所5軒ぐらいに相談しにいった。
でも、話をすると、どの弁護士もお手上げ状態だとおっしゃる。
原因は、契約書にあった。

私の持っていた契約書は、
「四会連合協定」という
一般的な請負契約に使われるテンプレートで書かれたもので、
通常観念における契約書ではないと指摘された。

この契約書の前提として、
設計&監理と施工が別と書かれているところが
話にならないくらい問題なのだと言われた。

建物に関わる工事請負契約書は
本来、設計図書や内訳明細書がつき、
100ページ~300ページとかなりなボリュームになる。
しかし、私の契約書は契約書と約款のみで、
20ページぐらいしかない。

本来は契約書に、
設計士が設計して、施工会社が見積もりをした時、
根拠となる図面を付けたり、
見積もりや、見積もりの根拠となる明細書
(壁紙が何平米か?ドアが何枚でいくらか?)
建物工事標準仕様書、瑕疵担保責任の表記などを明記しないといけない。

それが、私の契約書には何も記載されていない。
請負金額しか書いていないので
悪い言い方をすれば
何を使って何を作っても、いいことになってしまう。
さらにいくらでも追加金が請求出来てしまう。

実際におまかせ建設会社は
多額な追加料金を
明細も書かずに請求してきた。

どの弁護士からも
「なぜ、この様な契約書で契約をしようと考えたのか?
 建築会社がいいようにつくられているではないか。
 渡辺さんは、いいように言いくるめられたんですよ」
と、メチャクチャダメ出しを受けた。

マンションの設計図や書類を
おまかせ建設会社に請求してももらえず、
確認検査機関に見せてもらうこともできず
本当に最低な建設会社に依頼してしまったという激しい後悔が
私を襲っていた。

私は、中山社長が
「渡辺さんのマンションを買い取ってもよい」
という話し合いをする前のことを思い出していた。

それまでに私自身が
マンション建築をのぞきに行って
耐震構造に疑問を持った以外に
建築現場自身に大きな問題があると感じていたのだ。

そういう根本的な問題以外にも
私のマンション建築現場には問題があった。

とにかく現場が汚い。
工具やゴミ、タバコが散乱している。

大工が飲んだペットボトルなどもあちこちに散乱。
普通はその日の仕事が終わるときに
ゴミは持ち帰るものだと思うのだが
そういう意識は、この建設会社にはなかったようだ。

私がもらえていない図面が
現地の床面に散乱している。

それを拾って見ようとすると
建築作業員は、そういう行為だけめざとく見つけて
すごい勢いで私に近づき
「勝手にこちらの書類を、見ないで下さい!」
ひったくってきた。

今思えば、図面を私に渡していないということは
「私に了承を得ていない建物を建築していた」ということで
現場には詳細には説明されていなかったかもしれないが
「施主に建築図面を絶対に見られないように」
というお達しを出されていたのではないだろうか。

さらにいえば、
おまかせ建設会社が委託されて建てるマンションは
私に限ったことではなく
だいたいその「手口」で建築しているので
現場の大工達も慣れていたのではないかと
憶測してしまう。

信じられないことに
『法令許可書』も泥をかぶった状態で放置されていた。

工事業者が義務づけられている、
「建築確認済証の概要掲示板」看板の設置をしていないから
近所の方は、何か質問があっても
苦情を言いたくても
直接職人に言うしかない。
普通なら施工会社に連絡をとるはずだが、
その連絡先がわからない状態になっているので、
職人に言う以外方法がないのだ。
職人に言いに行っても
無視し続けて迷惑をかけながら工事を進めていたことは
今までに詳しく記載したとおりである。

また、私のマンションの規模だと、
建築に関わる人のために仮設の小屋を用意し、
図面や資料をまとめて保管したり、
職人との打合せを行ったりするのであるが、
それも建てられることはなかった。

おまかせ建設会社が私に
設計図などを渡してくれない以上
私は、別の手段を使って書類を手に入れるしかない。

そこで、おまかせ建設会社が提出しているはずの確認申請書の公開を
確認検査機関に問い合わせたのだ。
ここは、図面も設計の詳細も把握しているはずだから。

確認申請は、どんな建物かを行政に伝える為に
図面を付けたりするので、
厚みも5cmほどになるかなりのボリュームがなる書類である。

おまかせ建設会社が図面や設計図を私にくれない以上
この確認申請をみれば、一目瞭然と私は考えたわけだ。

しかし、結果は、門前払いだった。
確認検査機関は、けんもほろろに、こう言い放った。

 「確認申請書類は行政の書類なので、
  たとえ建築主でも見せることはできないものです。
  どうしてもみたければ
  副本を申請者(おまかせ建設会社社長)に渡しているので
  それを確認してください」

 「でも、おまかせ建設会社は私に見せてくれないのですよ。
  耐震偽装しているのではないかと疑っておりまして
  確認したいんです。
  見せていただけないなら
  この工事は耐震偽造がされていないかしっかり検査して下さい!
  お願いします」

 「そう言われましても、こちらは対応できませんよ。
  私ども検査機関は、施工会社から事前に報告書を受け取って、
  中間検査、完了検査は現地に行って確認するだけなんです。
  建物の監理は本来の業務ではございません。
  そんな時間も人手もありませんしね。
  渡辺さんは、工事のチェックに期待されているようですが、
  そのご期待にも添いかねます。
  1~2日しか調査員は行きません。
  現場では、工事監理者・施工会社や、報告書をみて、
  図面と同じようにできているか確認するだけですよ」

  「え、そんな!
  建物が欠陥としても、完了検査が通るってことですか?」
と私が驚いて聞くと、

 「うーーん。欠陥がある建物であるかどうかは、
  こちらには分かりません。
  ハウスドクターではないのです。
  現状では、完了検査の申請が施工会社から出てきたら、
  調査して合格を出すという業務を粛々と行うだけです」


行政が全ての建物を完璧に調査はできないのは
理解できないこともないけれど
じゃ、誰が耐震偽造を見抜いてくるんだろう?
それは行政の仕事ではないのだろうか?
と私は、とても憤った。

指定確認検査機関は「行政仕事をしている」といっても
施工会社を相手にしているので
施主の意見より、施工会社の肩をもつようだ。

 設計&監督と施工を一緒にすると
こういうところにも弊害が出てくるのかと
愕然とした。
だからおまかせ建設会社はのうのうとしていられるのか。
不正がばれることないのだなと、悔しかった。

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