建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2023年01月

<答弁書>

1.工事請負契約の締結について

私、渡辺拓也は、おまかせ建設会社との間で
工事請負契約を締結したことは認める。
ただし、私は建物図面は
工事契約時に受け取っていないので、
どのようなものか知らない。

また、
「対象建物は、おまかせ建設会社の標準仕様に基づくものだ」
という言い分に関しては
私は、おまかせ建設会社標準仕様について
おまかせ建設会社から説明を受けたこともなく、
どのようなものか知らない。

<渡辺拓也の主張>

1.工事の遅れに関する説明がない、及び必要書類をもらっていない。

 本件建物は、着工後に大幅に工事遅延となったが
 おまかせ建設会社は、その事情などを
 私に何の説明も行っていない。

 また、工事内容についても
 疑問を問い合わせたが
 おまかせ建設会社は、何の説明も行わなかった。

 その後に、私とおまかせ建設会社が
 工事状況等について協議した結果、
 おまかせ建設会社が
「工事途中である本件建物を買い取る。」
 という提案をしてきたので、合意するに至った。

 しかし、買取り価格の協議に応じないままである。
 本件建物は全てが完成しておらず、
 私は、完成引渡しもしてもらえていない。

 また、おまかせ建設会社は、
 私から設計の依頼を受けて実施したにも関わらず、
 設計図一式を私に提出しない他、
 請負会社として発注者である私に対して
 提出すべき多くの重要な必要書類の提出も行っていない。

2.建物の安全性に対する疑問

 梁の位置が打合せ図面の位置よりも約3Ocmずれていたり
 打合せ図面に記載されている
 構造スリットが設けられていない部分があったりするなど
 建物の安全性が保障できない部分が多数ある。

3.再々度の強い要請に対する無視

 上記の私からの要請に対して
 おまかせ建設会社は
 回答及び工事に関する重要な資料も提出しないので、
 私は書面で次のことを強く要求した。

①設計図などの次の重要書類の提出を求める。

 1)設計図一式
 2)確認通知書の副本
 3)契約工事費の内訳明細書
 4)追加・変更工事費の内訳明細書
 5)住宅瑕疵担保履行法に基づく保険加入等の証明

②買取り価格を承認する旨の表明を求める。

 私は、おまかせ建設会社が本件建物の工事に関して
 建築関係法令等に反する行為が多く存在することについて、
 行政上の指導を要請するための書面を提出した。

 その後、私は、担当部局から
「確かに疑問も多いので調査する」
 という旨の連絡を受けている。

 私は、度重なる要請にも関わらず
 おまかせ建設会社が何らの対応もしないので、
 やむなく、簡易裁判所に対して
 おまかせ建設会社を相手方として調停の申し立てを行い、
 円満解決することを目指した。

 ところが、簡易裁判所における調停期日に
 おまかせ建設会社が出席せず、
 調停は不成立になった。

 私が調停の申立てを行ったことを
 知ったおまかせ建設会社は、
 私を提訴した。

 その内容は以下の2つである。

A.渡辺は、おまかせ建設会社に対し
  約5000万円強を支払え
 (追加料金と、まだ支払っていない金額の合計らしい)。
  及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から
  支払済に至るまで年6分の割合による金利も支払え。
B.訴訟費用は渡辺の負担とする。

 このことは、不誠実極まりない行為であり
 おまかせ建設会社は
 設計監理業務契約及び工事請負契約上の
 数々の重大な背信行為を重ねた上で、
 何らの解決も図ろうとしない。
 悪質な業者と言わざるを得ない。

おまかせ建設会社から訴えられた私は
答弁書を提出した。

民事裁判の流れは、

★原告が訴状を裁判所に出す。
(原告=おまかせ建設会社 被告=渡辺拓也=私)
   ↓
★原告訴状受付後、裁判所が一回目の口頭弁論(裁判)の期日を決める。
裁判所は、被告に訴状を送達する。
   ↓
★被告が口頭弁論の期日までに、答弁書を出す(応訴)。
  ※答弁書とは、訴状に書いてある原告の主張に対する
   こちらとしての意見や反論。   
   答弁書を出さなくても可。すると相手の言い分がそのまま通る可能性もある。
   ↓
★答弁書が被告から届けば、それを原告に送付する。
   ↓
裁判が開かれる。(ここで論点を整理する。)
    ↓
お互いが次の裁判に向けて、準備書面を出す
    ↓
二回目の裁判がある。
    ↓
お互いが次の裁判に向けて、準備書面を出す。
    ↓
三回目の裁判がある。

ということが争点が明確になるまで続くことになる。

原告と被告は、法廷(裁判官の面前)で、
お互いに証拠を出し合って事実上・法律上の問題を争うのである。

裁判に進むだろうなと予想された場合ならまだしも
そんなことを考えもしていない場合、
被告(この場合、私)は裁判所から訴状が来るまで
訴えられたことがわからないので、
訴状が届いたら、とてもびっくりする。
だから、私も驚いたのだった。

訴状には、裁判所書記官の名前と共に
第1回期日と書類の提出期限も書かれていた。
それに対して期日までに答弁書を作成しないと
相手のいいようにされてしまう。

請求の原因に関しては、
それを認めるかどうかを答弁する必要があった。
しかも提出期限はほとんどの場合約一ヶ月なので
答弁書を作成するには時間がかかるため、大変あせった。

請求に対しては
①請求の原因を「認める」
②請求の原因を「否認する」
③請求の原因を「不知」とする=全く心当たりがない
④請求の内容について「争う」
の4つの答弁のパターンがある。

私は当然、④の
おまかせ建設会社の訴えについて争うことを選び
答弁書を作成した。

民事裁判では、
テレビドラマに出てくるような
弁護側と検察側が法廷で争うことはない。

日本の裁判は書面主義といわれており、
基本的に主張は全て書面で行われる。

(私たちの事件の場合は、
 弁護士があまりにもいいかげんなので、
 言い争うことになるのだが、
 それはこれから先の話)

裁判所では、原告・被告の主張が対立するので、
その整理を行うだけなのである。

裁判長が途中で、意見をいう事はなく
判断するのは、判決を出すときだけなのだ。

なので、判決の時まで
すべての裁判資料に
まともに目を通さない裁判長もいるらしい。

なので、おまかせ建設会社が
むちゃくちゃな、理論で書面や証拠を出しても、
判決が出るまでは咎められる事がない。

弁護士ももしかして辻褄が合っていないことに
気づいていないかもとさえ思う。

だから、日本の裁判は長期化する。
こちらは、本当に困っているので
早く決着をつけたいのに!

裁判期日は大体1~1.5ヶ月に一回のペースで行われていく。

しかし、私たちの場合、
おまかせ建設会社が
裁判を長期化させようとしているのか
2ヶ月に一回ぐらいのペースになっている。

私はおまかせ建設会社に、特別なお願いをしたわけではない。
建築物を依頼した発注者として
感じた疑問を建設会社に訊き、
相手側に落ち度があると私が思っている点についての
明確な説明がほしかっただけである。

だから、私から発信したことについて
対応してくれるだけで、解決できるはずだった。
しかし、おまかせ建設会社は、
私からの質問、要望に全く応えることなく
何のアクションもなく
逆に私を訴えてきたのである。

時間は、とまることなく流れていく。
私が依頼して建てたマンションは
耐震構造に欠陥を抱えたまま
そこに佇んでいるだけなのである。

私はその欠陥を確認することも
修繕を要求することもできず、
引き渡してもらっていないため、
マンションは、おまかせ建設会社が所有していることとなっている。

しかし、おまかせ建設会社から訴状が届き
しかもその訴状も内容がでたらめだったため、
おまかせ建設会社がこちらに応えてくれる意思がないことを理解した。
私からも裁判を起こさないと、
先に進めない状態となったのだと感じた。

そこで、訴えられたこと、
私からも裁判を起こさないといけなくなったなどの
さまざまな悩みを
賃貸経営者の会の吉野さんや、会長の満月さんに話した。
お二人は、自分のことのように私を心配し、
応援してくださった。

おまかせ建設会社から訴えられたのは
まさに晴天の霹靂。

思いもしないことが起きて、
心が折れそうになったが、
「賃貸住宅を建てる上では
そういうトラブルはあり得ることだ」
と、吉野さんや会長の満月さんは励まして下さった。
お忙しい身なのに親身になってくださる方がいて
私は、本当にありがたいと思った。

気持ちを持ち直して
欠陥住宅に詳しい一級建築士の井上さんの助言を得て、
私もおまかせ建設会社を訴える手段をとる方向に
進むことを決意した。
私は、裁判だけは避けたかったが、
向こうから不条理なことで攻撃されたから、
裁判のシステム上、私はその内容についての防御をするだけしかできない。
私の要望は、裁判では取り上げられない。

私も訴えないと、事態は改善しないのだ。

私が訴えたのは、
「私に必要書類を渡してほしい」ということだ。
そのため、私は
「必要書類提出請求」
をおまかせ建設会社に向けて行った。

設計図面や資料がないと、
建物を引き受けるための施主検査ができない。
建物を建築・維持するにあたって、
設計図面は不可欠だから
それを渡してほしかったからだ。

「設計図面や書類を施主に渡してくれ」って
なぜそんなことを訴えないといけないのか?
レベルが低すぎると歯ぎしりをしたが、
それが事実なのだから、しかたなかった。

物を買うとき、
説明書なしで買いますか?
買う時は、詳しい説明を販売員から受けますよね?
通信販売だって、ちゃんと仕様説明を記載していますよ。

そんな当たり前のことを
私に対しておまかせ建設会社はしていない。
こんなこと、口頭で私が言ったら、
おまかせ建設会社が渡してくれるだけで解決する問題なのである。

それを裁判で訴えないといけなくなったなんて
情けなかったけれど
今の状態から這い上がるためには
私にとっては必要な裁判であったのだ。

おまかせ建設会社から届いた訴状は
真実ではないことが並べられていた。
本当に呆れるばかりの内容だ。

その訴状には、
私がもらっていない設計図面や明細などの書類がつけられ
「最初からこの書類はありました。
施主にも渡していました」
ということになっていた。

あんなに図面をほしい、書類をほしいと言ったのに
その訴えは無視していたのに
裁判の訴状につけられている意味がわからない。
裁判のために、わざわざ作ったとしか思えない。

それに、
「追加の指示」だと訴状で提示してきたのは
指示ではないものばかりであった。

追加の指示は、私やハイセンスデザイナー事務所のメールの文章が
証拠として書かれていたので
大量のおまかせ建築とデザイナーとのメール文章を確認すると、
メールに書いてあったのは、
どれもこれも“新しい指示”ではなく
“元々双方が合意している仕様”の確認であった。

たとえば、私がおまかせ建設会社へ
「サイクルラックについて
どの様な仕様になっているか教えてください」
というメールを出したことが「追加の証拠」として、
訴状に書かれていた。

おまかせ建設会社は
そのメールを提示して
「サイクルラックの仕様変更を要求された」
と訴状に書いているのである。

私のメールのどの部分が、仕様変更指示なのだろうか?
日本語を学習してほしい。
これは「質問」である!

私やデザイナーが
追加工事を大量に指示してきたと
証拠書類として、このようなメールを
大量に訴状に添付している。

どう読んでも、追加変更の指示ではない。
嘘をそのまま書く。
つじつまがあっていないことに
気がついていないのか?
わざとなのか?
それともこういうことが許されるのが
裁判の世界なのだろうか?

それでも、
建築に詳しくない裁判長だと
こんな適当な証拠でもごまかせてしまうんだろうか。
と暗い気持ちになった。

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