建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2023年01月

おまかせ建設会社から届いた訴状は
呆れて言葉が出ないずさんな内容だった。

<請求の原因>
1.契約は滞りなく締結されたが、
 渡辺拓哉氏(私)が
 自分で用意したデザイナーによるデザインを要求したから、
 話がこじれた。
 そのデザイナーより、変更、追加の指示を受けたため、
 追加工事費用が発生した。
 追加料金は2000万円をこえている。
 さらに追加工事は、工期が遅れた原因にもなった。

2.デザイナーを介した変更、追加指示が継続し
 追加費用が膨れ上がっていることを渡辺氏に伝えたら
 「おまかせ建設会社の請負工事の内容の一部に
 満足できないところがある」と
 施主渡辺氏が、工事中断を指示した。

 工期が遅れているのに
 工事を中断させ、
 追加料金も払わないというのは
 おまかせ建設会社としては納得できない。

 おまかせ建設会社は、 
 建築している建物を完成させた上で
 渡辺氏が取得した建設地とあわせて売却し
 売却代金で、 
 追加工事分を含む建設費用を精算しようともちかけたが
 渡辺氏が、
 「上記売却代金から自分が今まで使った費用
 プラス自分の利益もほしい」
 と言ってきたので
 計算したら、それではおまかせ建設会社は収益がなくなり
 むしろ、マイナスになるので
 おまかせ建設会社としては、それはできないと断った。

 渡辺氏が追加工事費は払ってくれなかったが
 それでも、おまかせ建設会社は工事を再開し、工事を終了した。
 工事は、下地は渡辺氏が希望したデザイナーの仕様にしたが
 元々施主Pと結んでいた契約に基づく建物を建てた
 (注:明細が何もわからないおまかせ建設会社の標準パック)
 (しかも、私は、そんな工事の契約をしたつもりはない)。


 請負金額残金と追加費用を払ってくれていないので
 渡辺氏には登記に必要な書類を渡していない
(つまり引き渡しはしない)。

まとめると、
「おまかせ建設会社は、建物は建てたので
渡辺は早く5000万円強のお金と
工事期間から本日に至るまでの金利と
訴訟費用を払いなさい」

という訴えだった。

地方裁判所に向けて書かれた訴状は7枚にわたっており
★原告は、おまかせ建設会社中山社長
★原告訴訟代理人は
 ムーン弁護士事務所所属弁護士2名
★被告は渡辺拓也(私)
となっていた。

*ムーン弁護士事務所は、有名な弁護士を抱える
 大きな事務所です。

<請求の趣旨>
1.被告は、原告に対し約5000万円強を支払うように
   (追加料金と、まだ支払っていない金額の合計らしい)。
  及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から
  支払済に至るまで年6分の割合による金利を支払いなさい。

2.なお、訴訟費用は被告の負担とする。
ということだった。

証拠として請負契約時の図面も送られてきた。
※訴状を受けとった時に初めて見た設計図!!
(あんなに、渡してくれといったのに
 言っただけでは渡してくれず
 結局、訴状と共に私に手に渡ってきた)

その上で、
追加工事したから金を払えと、
要求している追加工事の30項目が全部、記載してあった。

一般的に考えて「追加工事費」というのは
小学生でも計算できる引き算じゃないのでしょうか?


A:元々の契約内容に含まれない追加・変更した内容によって
 結局必要になった、建築総費用

B:元々の契約に含んでいる内容

AーB=追加変更費用
(AとBの差額)
(単に増やしたもののお金だけじゃない。
○を△に変えたので、○は要らなくなったから、
○の費用は引いて、△だけを足すという計算)

私のマンションは、最終段階の支払いを残すのみとなっており
そこまでの代金支払いは終わっていた。

「追加」は建築途中で生じるものなので
建築前の、請負契約時点での図面に、
追加変更した項目は載っているはずがない。
契約時点の書類に記載されているのなら
それは「追加」ではなく、「元々契約していた中身」といえる。

しかし、届いた証拠の、最初提示したとされる図面には
追加変更した項目が全て記載されていた!

最初から図面に書いてあるのなら
それはその図面で請負契約をしたということでしょ?
「追加」というのは、
本契約をしてから後で発生したってことでしょ?

相手弁護士は
「追加工事項目が含まれる前の図面」
を出す必要があったのではないのか?

それを「請負契約時の図面」として訴状で出すっていったい
弁護士もちゃんとチェックしたのかどうか?
と、非常に不思議だった。

訴状には
「おまかせ建設会社は落ち度なく仕事をしてきた」と
書いてあった。

おまかせ建設会社の中山社長と話し合ったとき
中山社長は
「渡辺さんがそんなにこのマンションに不満があるなら
うちで買い取りますよ」
と自ら言ったので、話し合いはそこで終わった。

そこからは
こちらから手紙を何度も送っても、全て無視するので、
買い取りを進めてくれるのか
それとも、工事をちゃんと進めてくれるのか
話し合いをしたいと思っていた。
だから、同時に行政にも動いてもらっていたわけである。

対価に相当する建物を建ててもらっていれば
ちゃんとお支払いするし
普通に契約は終了して
私も賃貸住宅の大家としての活動が始められたわけだから。

この頃になったら
もう工期の遅れとか
ご近所様に迷惑かけたこととか
文句言わないから
とにかく耐震構造のしっかりした
こちらが頼んだデザインの建物を建ててもらえば
細かいことのフォローはこっちでするから、
一日も早くきちんとした建物を建てて
引き渡してくれと思っていた。

2019年の12月頃の話だ。

裁判(訴訟)は、考えていなかった。
避けたかったというのが本音だ。
時間もお金もかかるし
穏便に話し合いで終わりたかった。

それで、「民事調停」を申し立てた。

「民事調停」は、当事者同士が話合いで問題の解決を図る裁判所の手続で
法廷で双方が争って裁判官の判決で解決を図る「裁判(訴訟)」とは違う。

民事調停では、
裁判所の「調停委員会」が
当事者双方の言い分を聴いて歩み寄りを促し、
当事者同士の合意によってトラブルの解決を図るというものだ。

訴訟よりも手続が簡易で、
解決までの時間が比較的短くてすむという利点がある。
当事者同士の合意を基本としているので
当事者にとって円満な解決が期待できる。

しかし、これにはデメリットもあり、
出席への強制力がないので
相手方が調停に応じるか否かは、相手方の自由となることだ。
相手方が故意に呼び出しに応じない場合でも、
相手方が欠席すれば調停手続を進めることはできない。

懸念はしていたが、調停日に、
おまかせ建設会社は不出頭だったので
調停が不成立になった。

そして、あろうことか
この後におまかせ建設会社から「訴状」が届いたのだった。
つまり、話し合いには応じず
反対に、私を訴えてきたということだ。

初めて受け取った「訴状」と書かれた書類には
かなりのインパクトがあった。

訴状を妻絵理菜と一緒に
冷や汗をかきながら読み進めたが、
添付されていた証拠の図面と、
追加変更工事一覧を見て、
冷や汗は困惑と怒りに変わった。

欠陥住宅問題を長年取り組んできた
一級建築士・井上さんの助言に従って、
地方自治体に陳情書を書き
行政告発を行った私だったが、
基本的に行政は、
「監督官庁としての立場」で動いているので、
どの様な指導や罰則をしたとか、
どの告発の内容が問題と判断したから動いた、等々、
対応した内容について
情報を全くこちらには伝えてくれない。

”建設業や建築士の資格許可を出している官庁”
としての対応しかしないので、
こちら側の味方ではない。

しかし、実情を訴えている消費者に対して
「この件は、注意勧告しないといけない」と判断したら
その対応をしてくれる部署であるはずだ。

私が訴えたこの件について
どうなったのかを知りたい
と私は思ったので、
告発後、どういう風に動いてくれたのか
行政担当者に話を聞きに行った。
 
 行政担当者 
「申し立てに書かれていた内容は、
 建設業法、建築士法律に違反している所が見受けられます」


「それを確認してくださったんですね!
 ありがとうございます。
 では、指導してくださいましたか?
 おまかせ建設会社に罰則は与えていただけるのでしょうか?」

行政担当者 
「相手方は、設計図面や書類関係を
 全て渡辺さんに渡していると言っています」


「え?そんなわけないでしょう?
 こちらは、これだけの資料を作って、
 もらっていないと陳情しているのに、
 相手が『出した』と口頭で返事しただけで
 それを信じるんですか?
 第一、その提出したという書類は、見たのですか?」

行政担当者
「いえ、目視確認はしていません。電話でそう聞きました」

「なぜ会社に行って確認してくれないんですか?」

行政担当者 
「私どもには捜査権がないので、
 会社に入って調べることはできません」


「業者は電話で適当に答えたらいいだけなんて、
 やりたい放題じゃないですか、
 おまかせ建設会社社長に1級建築士の資格を与えたのだから、
 ちゃんと仕事しているのか、監督してください。
 行政には監督責任があると思います」

行政担当者  
「この件で、指導が入るか入らないかは、
 渡辺さんには関係ないでしょう?
 おまかせ建設会社がちゃんと仕事をしているかなんて
 私たちはそこまで監督する権限はありません。
 それに、こちらは片方だけの訴えで動くことはできません」

このときには、地元の市会議員さんが
心配して同席してくれていたので
監督責任のある行政が、
おまかせ建設会社に指導してくれるよう
議員さんからもプッシュしてもらった。

で、その議員さんのプッシュが効いて
行政がもう少し指導に入ろうとしてくれた矢先
おまかせ建設会社が私を相手どって訴訟を起こしたので
「民事の裁判に影響を加えることはできない」
と、裁判の結果が出るまで行政の指導は
ストップしてしまったのだ。
ああ。

この物語の内容は実話ですが、
登場人物、地名、施設名は仮名です。
それと、身バレを防ぐために
設定の一部を少し変えています。

どんどん登場人物は増えてきていますので
二回目の登場人物紹介をします。

渡辺拓也…この物語の主人公。つまり私のことです。
      本ブログの方では「施主P」と名乗っています。
      30才後半 

渡辺絵理菜…拓也の妻

渡辺幸子…拓也の母


松本貴之…不動産コンサルタント
      各地で不動産経営のセミナーを行い
      著作本も多数ある。

おまかせ建築会社…松本コンサルタントから紹介された建設会社。
          その地域では有名な大手企業だが、    
          その実際は、欠陥住宅を量産している。
          苦情は、大手弁護士事務所ムーンに丸投げしている。

安田武雄…おまかせ建築会社営業部長

結城克己…私のマンション工事の現場監督

山本健太…おまかせ建設会社建設部長

中山英二…おまかせ建築会社社長。
      おまかせ建築事務所長も兼任しており
      一級建築士

中山文彦…おまかせ建設会社専務。
      中山英二の息子

ハイセンスデザイナー建築事務所
      渡辺拓也が尊敬している建築家である
      アドルフ坂井氏の事務所

スローピィ建築会社…おまかせ建築会社の下請け会社
           社長は山田 担当は森田

ムーン弁護士事務所…有名弁護士を抱える大手法律事務所
           おまかせ建設会社が委託をしている。
           田中弁護士と鈴木弁護士がおまかせ建設会社の弁護を担当している。

賃貸住宅経営の会…渡辺が世話になっている大家さんのコミュニティ。
          会長は満月信成氏 吉野講師が渡辺に親身になってくれる。

欠陥住宅に詳しい一級建築士…井上元治。渡辺の大きな支えとなる。

地域センター信用金庫 ベシニティ支店
          渡辺に融資をしてくれる金融機関

三谷健作…おまかせ建設から訴えられて始まった民事裁判と
      しかたなく私からもおまかせ建設会社を訴えることになった裁判を
      裁判当初~2022年3月まで担当した裁判長。
     (2022年4月より豊田秀一裁判長に変わる)


町中圭…渡辺と同じ頃、先におまかせ建設会社に
     賃貸マンション建築を依頼した不動産投資家。

堀江太郎…株式会社LIO代表。
     渡辺と同じ県内に住む不動産仲介業者。

田中太作…おまかせ建設会社が代理人として立てた
      ムーン法律事務所の弁護士。

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