建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2023年05月

それにしても
田中弁護士の職業は、弁護士なのだから
自分の得意分野でなくても
この裁判の担当となったからには
ちゃんと調べて内容を理解して
裁判に臨まないといけないのではないのだろうか?

私は今回初めて裁判を経験したので
今までテレビでの裁判場面しか見たことがなかったが
実際の民事裁判というのは
こういう感じなのだろうか?
と、毎回すごく不思議だし、不満に思っている。

裁判長は、落ち着きを取り戻して
両手を机の上に置いて
私に解説するように
話を続けた。

「渡辺さん、一級建築士の委員に
 裁判に関与してもらうことはあり得ます。
 今、私たちが行っているのは、裁判の争点整理ですが、
 形式的に調停という話し合いの形で、専門委員を入れます。

 専門用語では『調停に付す』といいます。

 調停の中で何をやるかは裁判によって違いますが、
 今回調停に付す一級建築士の委員の役割は、
 話し合いに積極的に参加することではありません。

 あくまで
 裁判長の補佐として、主張の整理の助言を行う、
 あと話し合い(和解)に有効であれば
 話し合いのお手伝いをしてもらうという、
 両方の観点から、
 裁判の争点整理の手続きと調停を
 同じタイミングで行うことがよくあります。

 専門家の助言や意見をもらうのは、
 便宜的なやり方ではありますが
 渡辺さん側は、それでもかまいませんか?」

裁判長はさらに話を続けた。

「なお、調停に付して、
 話し合いがまとまらない場合は、
 一級建築士より助言をもらった内容について
 裁判長が聞き取ったものを、調書として作成するので、
 裁判の証拠として利用することができます。

 つまり、裁判官が専門委員から聞き取ったものが、
 正式書類となり、当事者にお渡しできるので、
 どちらかの当事者から、その資料の提出があれば、
 この裁判の証拠にもなりますがいいですか?」

田中弁護士は聞かれてもいないのにすぐ答えた。
「私は賛成です!いいことです!」

でも、私は、即答しなかった。

裁判長
「専門委員が来るとしても、
 おまかせ建設会社(原告)は
 必要な書類をまず出して下さい。
 建築士も検討ができませんので。」

田中弁護士は、調子よく答えた。

「はい!承知いたしました。
 私もビシバシ(おまかせ建設に)言います!」

一級建築士が来たら
自分が建築に詳しくないので
自分に課された仕事の専門的な整理を頼もうとしている田中弁護士だが
書類作成は弁護士がするのではないのだろうか?

むしろ、書類を作って裁判に来てくれと
裁判長と私がビシバシと田中弁護士に言っているのに。

 お。私は思わず身を乗り出して
話に聞き入った。

田中弁護士は
建築のことを何も知らず
知識をもたないなら調べる努力をしてほしいのに
実態も調べず
「準備書面を用意しろ」と言われても用意しない。
こんな状況なので
専門家が入ってきてくれたら
話が早く進むのでは?と
私は、少し期待をしたのだ。

・・・・・裁判長も田中弁護士の態度に
嫌気がさしているのだろうなぁ。
この裁判をスムーズに進めたいから
建築士を呼ぶことにしてくださったのだろう。
わかりますよー素人でも。

期待したのは私だけではなかった。
田中弁護士もだった。
しかし、私とは違う理由で。

「それはそれは!助かりますなぁ。
 私も追加工事の内容が整った段階で
 専門委員に入ってもらって
 足りない部分を指摘してもらうのが
 いいんじゃないかと思ってたんですよ。
 専門家に同席してもらって、
 私にいろいろ私に出されている宿題を
 解決してもらいたいものですな」

裁判長は、即座に田中弁護士を制した。

「!! そんなこと、ここでできませんよ。
 今の状態では、専門委員の建築士は、入ってもらえません。
 私の補助として、助言者として参加してもらうのです。
 田中弁護士の書類を作成するために
 来ていただくでのはありませんよ。
 おまかせ建設会社の書類が整っていないので
 今は呼べる状態ではないです。
 田中弁護士の下準備が完璧にならないと無理です」

すると、田中弁護士は、
「それはちゃんとやりますよ
 ははははは」

私は心の中で、
田中弁護士がほとんど準備書面を用意してこなかったから
こんなに長引いているのに、
よく いけしゃあしゃあと言うなぁと
はらわたが煮えくり返っていた。
それでも、その気持ちはおくびにも出さず、
質問した。

「この裁判に専門家を入れて
 その人と一緒に協議して
 内容を精査していく流れと考えていいですね?」

裁判長は、こちらを向いて少し和らいだ顔になった。

「そうです。
 ある程度、主張がそろってきたので、
 その方がいいでしょう。
 私も建設のことは素人ですので」

田中弁護士は、二人の会話を聞いて
両手を頭の後ろにやって、のびをして
天井を見ながらのんきに言った。

「いやー専門家に教えてもらえるのはありがたいですなぁ!」

一瞬和やかになった裁判長だったが、
田中弁護士の空気を読まない発言に
きっと厳しい目になって
田中弁護士に釘を刺したのだった。

「!!専門家を入れても
 今までの田中弁護士の書類の内容では
 いろいろ指摘をうけることが目に見えています。
 ほんと、そこだけはちゃんとやってくださいよ!」

私がそういうと、裁判長もたぶん同じ事を思っていたと思うが
田中弁護士をかばった。

「えーっと、渡辺さん、
 田中弁護士がちゃんと仕事をしていないわけではないのですが
 裁判にしめす情報が不足しているのはまちがいないです。
 ここで打ち切りとすると、
 真実がよくわからないままい判決を出すことになり
 もっと面倒なことになるので
 きちんと証拠書類を出して下さいね、と
 田中弁護士にお願いしているのです。
 兼ね合いが難しいのです」

兼ね合いが難しいと言われても
私は、この裁判のために時間もお金も遣っているのだ。
どうしてこんなに亀の歩みのようなのか、
イライラしてしかたない。
もっと、チャキチャキ進めてほしいと思いながらも
私は、拳を握ってわなわなしながら話を聞いていた。

裁判長はさらに続けた。


「おまかせ建設会社はプロなので
 今まで扱った他者の別工事の中で
 追加工事が発生した事案もあったことと思います。
 しかし、本件で追加工事があったかどうかは
 裁判所ではわかりません。

 たとえば、
『追加はないから、追加料金は0円です』
 と渡辺さんが主張をできるけれども
 話し合いの進め方としては
 それを押し通すのでは、なかなか話がまとまりません。

 『追加があったとしても、
 この金額は高すぎる。
 追加はもっと安くて、金額はこれくらいです』
 と、渡辺さんが譲歩する形ではありますが
 具体的な、支払金額を出すという、 
 予備的な主張をしてもらう例が多いのですが
 渡辺さんは、そういう主張はせず、
 当初の契約のままの工事しかないので
 追加料金は0円であるという主張を通すのですね?」

と聞いてきた。
は?追加はないのに、
「この金額は高すぎるから、もっと安くできないか?」
という話をしろというのか?
追加料金が理不尽に高いのであれば、
そういうことも必要であるが、
「ない」と言っているのに
それを「ある」に切り替えることなんて、できるはずがない。

そこで私は、背筋を伸ばして裁判長を見据えてこう言った。

「はい。追加はないのだから、
追加料金は0円であると主張します」

すると、裁判長は少し困ったような顔をして私に言った。

「わかりました。
 しかし、仮に判決が
 『この部分のついては追加工事に当たる』
 つまり、この工事に追加工事が発生していたと判定した時に、
 おまかせ建設会社が主張している金額で認定してよいならば、
 簡単に決着するのですが
 それでは困るのですね?」 

私は、まっすぐ裁判長を見て答えた。

「困るという問題ではありません。
 おまかせ建設会社がまともな主張をして
 追加の明細を出してきたなら
 それに対して反論します」

田中弁護士は、裁判長の発言の中の
自分に都合のよいところだけをとって話に入り込んできた。

「渡辺さんは、
『追加工事をしていないからお金を払わない』
 とだけ言っているだけですからね。
 金額に関しては、争いが無いのではないですか?
 すなわち、裁判長がおっしゃるように
 この工事に追加工事が発生していたと判定した時に、
 おまかせ建設会社が主張している金額でよいということじゃないですか?」

裁判長は、あわてて田中弁護士を制止した。

「いやいや、追加工事を認めていなので、
 金額に関しては、すぐ認定できないですよ。
 おまかせ建設会社の追加工事の主張は、内容が整理されていないので、
 今の段階では
 追加料金自体の主張を積極的に言わない、
 と渡辺さんは言っているんです。

 この裁判では、建築の微妙な問題がいろいろからんでいるので 
 簡単に争点を整理することができません。   
 そこで、建築のことはよくわからないので
 一級建築士に関与してもらって
 意見を聞きたいと考えています」

民事裁判の場合、
原告(おまかせ建設会社)と被告(私=渡辺拓也)が
期日までに書面を用意し、
それに従って裁判長が、争点の整理をする。

その日も、裁判長が口火を切った。

「追加工事に関しての議論は
 被告渡辺氏は、追加工事そのものが存在していないと主張し、
 述べる事はないと、仰っていますが、
 追加金額の妥当性については、審理したいと考えています。

 それについて、おまかせ建設会社の代理人の田中弁護士に
 今回までに資料をそろえてくれとお願いしていましたね。
 工事が契約通りにされている分は
 相当額ととらえていいですね?
 
 では、追加工事の分はどれですか?

 たとえば、おまかせ建設会社は
 Aの仕様が追加工事で、Bの仕様になったとされていますが、
 Aは、Bの工事とどのような差異があるのですか?
 Aの工事そのものがどんな仕様か明記されていないので
 Bの工事が追加かどうかわからないのです」

すると田中弁護士は、痛いところを突かれたという感じで
あたふたと答えた。

「B、Bの工事が、もとのやつです」

裁判長は首をかしげて、
納得していない様子で田中弁護士に突っ込む。

「書類では、Aの仕様が追加工事で、Bの仕様になったとされています。
 A工事を元にしてどんな工事をしたのか、説明して下さい」

「え~どんな工事をしたんだろうなぁ?
 即答できません」

田中弁護士の答えに、裁判長はいらっとしたのか
少し早口にたたみかけた。

「『Bの工事で使ったものと、Aの工事で使ったものは違うから
 単価も違うため、追加料金もかかった』
 と言われても、『単価が違う」だけでは、よくわかりません。
 Aの工事がどのような仕様で、金額がいくらなのか
 具体的に調べてきてほしいと言ってましたが
 調べてきてくれたのですか?
 それを今教えてください」

田中弁護士は頭をかきながら、裁判長に答えた。
「担当者に確認しますわ。
 私も、原告からの情報が少なくて、苦労しているんです」

私は、それを聞いて、田中弁護士に同意することなどできなかった。
この弁護士何を言っているのだ?
裁判では、抽象的に「追加料金がかかったから払え」
という主張がとおるはずないことぐらい、理解しているはずだ。

裁判長も同じ考えのようで、田中弁護士を見据えて
呆れたように、ため息をついた。
「今回も、前回と同じように資料が不足しています
 具体的な情報を描いた書類を用意していただかないと
 裁判は進みません」

そこで私がしびれを切らして、田中弁護士に要求をした。
「田中弁護士は前回、
 AとBの価格を、今日までにちゃんと出してくるとおっしゃいました。
 前々回から、最低限、追加工事の変更の明細を出してほしいと
 渡辺側はお願いしています」

「前回もお話しましたが、
 追加工事した場所を特定するだけで半年以上かかり
 このように金額の妥当性を明らかにするのはもっと時間がかかっていて、
 あまりにも長引かされて、困っています。
 何度も同じやりとりをしています。
 ちゃんと書類を準備して裁判にきてください」




裁判の話が中断したので、閑話休題。
裁判の話にもどすことにする。

私は新築マンションの建築を、
セミナーで知り合った
松本コンサルタントに薦められたおまかせ建設会社に依頼した。

その際、一部のデザインにこだわりを持ってたので
私がデザイナーを指定し、そのデザインで設計してほしいと頼んだ。
松本コンサルは快諾した。

その後、詳しい設計図面をもらわずに契約してしまった。
設計図書は私の手元に来ることなく
工事は進んでいったが
同時に予定よりもどんどん遅れていった。
いつ完成するかもわからず、困った。

その上、おまかせ建設会社は
デザイナーと、まともにコンタクトをとる気がなく、
私の許可なく、勝手に
おまかせ建設会社の標準工事パックでを知ったときには
本当に驚いた。

私の建てたかったマンションとは別物。

その工事には耐震性に問題があった。
そのため私は
「建設を中断してほしい。
図面を確認したいので、
施主である私に図面を渡してくれ」
と強くおまかせ建設会社に訴えた。

一級建築士であるおまかせ建設会社の社長が
我が家に来て話し合った。

「どうしてデザイナーと打ち合わせをして
仕様を明確にした、マンションを建てることができないのか」
「工期が遅れすぎているのはなぜか」
「今建てているマンションの耐震性に問題があると思うので
 技術的な説明をしてほしい」
と追及したら、おまかせ建設会社の中山社長は
「そんなにうちが信用ができないなら、
 私がマンションを買い取ります。」
と宣言した。

ああ、やっと、ややこしい話が解決すると思ったら
おまかせ建設会社は、マンションの買取額を提示するどころか
ある日突然、前ぶれもなく、
「渡辺拓也は、
 おまかせ建設会社が言われたとおりの図面で
 マンションを建てているのに
 デザイナーを指定して、
 どんどん工事変更を指示してきた。
 その追加工事費用がたくさんかかったので、それを支払ってほしい。
 なお、マンションも(突貫工事で)完成しているので
 最終の支払いもしろ」
と裁判に訴えてきたのだった。

しかし、裁判になったおかげで
私は契約時にもらうはずだった図面を手に入れることができた。

その図面には(たぶん裁判用に用意したものであろう)
私がデザイナーに頼んだ仕様の設計図となっていた。
ということは、
契約時、既にデザイナーの意匠を使った設計図になっているのだから
それに基づいて建てたものなら、
デザイナーによる変更の追加工事費は発生するわけはない。

つまり契約の時から追加工事を指示した事実がないということを
裁判で提出された設計図面が物語っていた。

訴えられた私は、その民事訴訟を受けて立ち、
書面を準備して、裁判をおこなっているが
おまかせ建設会社は、
ムーン法律事務所の田中弁護士を代理人として
社長は一回も裁判に来たことがない。

その弁護士は、やる気がなく
私の準備書面もちゃんと読んでいないし
問題の物件であるマンションを視察したことない。

すぐ感情的になって裁判の最中に
「出て行け」
とどなりつけてきたり
「私もこんな裁判やりたくないんだよ!」
ときれたりするのであった。

↑このページのトップヘ