建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2023年07月

専門委員(1級建築士2人)が
原告(おまかせ建設会社)と被告(施主P=私)
それぞれの争点の個別確認が終わったので、
全員そろって、裁判は再開した。


「調停委員から、
 『実際の現場を見たら、いいのではないか』
 という意見が出ていますが
 今は、お互いが
 『本件建物は自分で管理している物件ではない』
 という主張をしています。
 物件の見分は可能ですか?」

と裁判長が聞くと、田中弁護士は答えた。
「うちは可能です。
 引き渡しが終わっていないと渡辺氏が言っているので
 物件を見るとなれば、
 こちらが主導する形になると思います」

私も答えた。
「もちろん、私としても
 現地を確認しに行くことに異論はありません。
 ただ、何も資料もなく、現地確認はできないと思います。
 おまかせ建設会社から私は
 図面や確認申請時の資料をもらっていないので
 現地を見て頂くには、
 それらの書類が必要です。
 現地確認の日までに、必要資料関係を
 おまかせ建設会社が提供してくれるかどうかが気になります」

「それは確認申請時の図面のことですか?」

裁判長に質問された私は、
専門委員に質問をした。

「是永さん、
 建築士さんが現地確認に行くにあたり、
 必要な書類はないのでしょうか?」

「現場を拝見する目的は、
 現在主張されていることの確認をすることです。
 追加変更になっている所が施工されているかとか、
 耐震構造に問題がある工事が行われているという主張がありますので
 それらが本当にあるのか
 現場がどうなっているのか確認します。
 ですから、争点以外の建築の確認はしませんので
 確認申請時の資料がないとできないということはないです」

裁判長もうなずいた。

「そうですね。
 裁判所は、食い違っているところの確認をします。
 建築物が全て図面通り建てられているかまでは
 チェックしてあげることはできません。
 基本的に関心のあるところだけ
 見せていただくことになります」

寺田専門委員も同意した。

 「1時間ぐらいの確認になるかと思います」

「わかりました。
 それでは、私の方でも
 見に行くのに何も差し障りはありません」

是永委員はさらに質問を続けてきた。

「甲F号証(『標準仕様』に基づくボリューム図)は
 見たことがありますか?」

「甲F号証の5ページ程だけ、ちらっと見せてもらいましたが
 最後の2枚は、当時見ていません。」

 「つまり、渡辺さんは、
 おまかせ建設会社が甲Fで提示した
『標準仕様』と言われるボリューム図の全部を見ていなかったので、
『標準仕様』のことは知らなかったということですね?

 そして、おまかせ建設は、
 その『標準仕様』のボリューム図面で
 概算金額を出したのだという主張をしているのですね。

 おまかせ建設会社の甲F号証の図面は、
 6月12日に作成と書かれています。
 これは請負契約締結の一年前ですよね?
 ハイセンスザデザイナー事務所は、
 デザインを後から出してきたのでしょうか?」


「ハイセンスデザイナー事務所は
 6月どころか、もっと前、
 契約の前から関与しています。
 そもそも、私はハイセンスデザイナーありきで
 マンションを建てることを条件にしていました
 マンションを建てたいと思う、と伝えたときからの
 条件なのです」

「おまかせ建設会社の提出している書類には
 先に6月におまかせ建設会社は、ボリューム図を作り、
 それを基にして6月末に
 ハイセンスデザイナー事務所からデザイン画が出されたとされています。
 渡辺さんはおまかせ建設会社が提示した
『標準仕様』を契約していないので
 当初からハイセンスデザイナー事務所のデザイン図で
 スタートしていると主張しているのですね?」

「その通りです」


専門委員は一級建築士だけあって
説明を素早く理解してくださるので
ありがたかった。
特に田中弁護士に退席してもらっての争点の整理は
さくさく進んだ。

どの裁判がどんな風に進行しているのか知らないが
うちの場合は
明らかに田中弁護士の態度が裁判の進行を妨げている。

「渡辺さんが、契約の段階で何の書類かわからないけれど
 日付も書いていない何通もの書類に
 捺印してしまったことについては、了解しました。

 消防検査やエレベーターの検査については、
 おまかせ建設会社から
 検査をするという連絡はあったのですか?」

是永委員からの質問が続いた。

「何かの検査をするという連絡は、何も受けておりません。」

「建物の行政の完了検査は取り下げたことについては
 理由を聞かせていただきましたが
 消防検査やエレベーターの検査は行われていたかはご存知ですか?
 おまかせ建設会社は、検査済と主張しているようですが」


「当時は、何も連絡がなかったので知りませんでしたが、
 消防検査やエレベーターの完了検査は
 行われているようですね。
 そのことは、後で知りました。
 しかし私は、あらゆる書類や報告を
 おまかせ建設会社からもらっていないので
 その検査済証等を提出してほしいと、
 別の裁判で提訴しています」

「え?報告だけでなく、書類ももらっていないんですか?
 なるほど、わかりました。
 では、次の質問です。
 おまかせ建設会社から
 甲F号証はおまかせ建設会社の『標準仕様』に基づく図面で
 これからスタートしたので、
 標準仕様で契約金額が決まったと主張していますが、
 契約時にはそれを了解したのですか?」

 甲Fは5枚程のザックリとした外観のみが描かれている。
 いわゆるボリューム図である。

「おまかせ建設会社の『標準仕様』と言われるものの内訳明細は
 私はもらっていません。
 おまかせ建設会社は、
 『内訳明細を渡辺さんに渡そうとはしたけれども、
 渡す機会を逸してしまい
 そのまま渡していないままになっているだけ』
 と主張していますが、
 渡そうとしたと言われても、
 そういうそぶりもなかったし
 実際、私はもらっていないし、
 おまかせ建設会社の『標準仕様』などというものの契約はしていません!」

寺田専門委員は、私の話をひとしきり聞くと
完了検査について教えてくれた。

「渡辺さんは、『本件建物の耐震性に大きな疑問がある』
 とおっしゃっていますが、
 行政完了検査の時、それがわかったら、
 検査済証は発行しませんよ。
 普通は、そんな工事認められませんからね」

是永専門委員は耐震性の説明をしてくれた。

「地震が頻発している昨今
 建物の耐震性についての審査をするようになりました。
 しかし、完了検査の時には
 それを確認することは難しいです。
 もう建物が、できてしまていますからね。
 その辺が守られているかどうかの説明は
 工事業者に聞くのです。
 工事のしかただけ聞いて、
 耐震性に問題がないかどうかは素人にはわかりませんからね」

「そうですね。
 私はたまたま工事中のところを見て
 耐震性に不安をもちました。
 そのため、おまかせ建設会社に
 『説明してほしい』とお願いしたのです。
 すると、中山社長は、説明せずに
 『買い取るから問題ないだろう』と提案してきました」

「完了検査以外に、消防署やエレベーターなど
 いろいろな検査があったと思います。
 その工事が終わるたびに
 施主が確認して捺印して各機関に出すのですが、
 その捺印はしたんですか?」

「是永さん、その問題は、もう恥ずかしすぎて消したい過去なんです。
 私が素人すぎて、勉強不足でした。
 結果をいうと、何も確認せずに捺印していると思います。
 というのは、
 今となっては、どんな書類だったか思い出せないのですが
 契約した当時に10枚ぐらい書類が送られてきて
『これらの書類は、建築に必要ですので
 全部に捺印して送り返してください』
 と言われたので、
 当時は、信用しきっていたので
 何の書類かわからずも
 10枚ほどはんこを押して、全部おまかせ建設会社に渡しました。
 その中に、完了検査までの申請書が入っていたのだと思います。
 『はんこは簡単に押したらいけない』と知っていたのに
 まさか自分が騙されるなんて思っていなかったので、
 後悔しています」

「ということは、
 何かわからないまま10枚ぐらいの書類に
 事前にはんこを押してしまったんですね。
 最後の検査までの必要書類全部であった可能性が高いということですね」

と是永委員は、アゴに手をやった。

私は、専門委員の2人を交互に見ながら話した。

「今思うと恥ずかしいことですが 私は、
『行政完了検査の前に
 施主が自分の注文したように建てているか
 施主完了検査をする』
 ということを知りませんでした。
 その時点ではおかませ建設会社を信じて、
 全部お願いしていたので、
 教えてもらっていませんでした。
 
 でも私は、おまかせ建設会社に
 『好き勝手に進めてくれ』というお願いをしたのではありません。
 どこまで進んだか私に報告してほしいし
 その報告に基づいて、
 私が何かしないといけないのであれば
 指示してほしい、という依頼をしていたということです。

 でも、おまかせ建設会社は、
 私に何も知らせず、
 完了検査等の、すべての申請をしていたのです。

 それを知り、
『まだ完成していないではないか!』
 と思った私は、直接、検査機関に話を聞きに行きました。

 検査機関に
『耐震構造がしっかりしているかどうか
 確認していただけるのですか?』
 と聞いたところ、
 『検査で現場に行くのは2~3日だけで、
 全部を見るわけではないので
 その日に耐震性に大きな疑問があると
 見つけることができなければ、
 施主から問題があると言われても、
 完了検査は通ってしまいますよ』
 と言われました。

 つまりおまかせ建設会社とすれば
 行政完了検査の時に
 私が指摘している耐震性に問題のある部分を
 検査機関にばれないように隠しておいて、
 さっさと完了検査を通してしまえば
 もめても、おまかせ建設会社が勝つので
 さっさと行政完了検査をしてしまいたかったのです。

 それで、私は、
 あんな耐震構造の問題のある建物の完了検査が通ってしまうと困るので
 まず『完了検査の保留』を申し出ました。
 そして、おまかせ建設会社へ
 『今どういう状況になっているのか説明をしてほしい』
 と頼みました。
 『施主である私に完了検査を申請するという知らせもなかったし、
 私たちの了解もなしに申請しているのはおかしいので
 手順を踏んでほしい』
 とおまかせ建設会社に言いました。
 ところが、
 おまかせ建設会社から返事はもらえませんでした。
 それで、どうしようかと困っていたら
 完了検査機関から
『完了検査の保留という制度はありません。
 完了検査をすることで施主と建築会社に齟齬が生じているのなら
 いったん完了検査を取り下げて、
 当事者同士で話をしてから、
 また申し込んで下さい』
 と連絡がありました。
 それで、行政完了検査を取り下げました。

 私は完成を妨げたいとの邪心があるわけではなく
 説明を受けたくておまかせ建設会社にお願いしていたのですが、
 返事ももらえないので、
 しかたなく取り下げたのです。
 その辺の事情や経緯も全て証拠を添えて、裁判に提出しております」

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