建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2023年11月

どうあがいても、
裁判長が退席するのを止めることができそうではない。

最後に私は叫んだ。

「一つだけ言わせてください。
 相手は『引き渡しの申し渡しをしたのに
 渡辺が拒否した』と言っています。
 私が引き渡しと拒否したと主張するなら
 いつ、誰が、どこで拒否したのか明確にしてほしいです。
 完成に関しても議論が深まっていないので、
 完成したというのであれば
 施主完了検査をさせていただきたいです」

でも私の叫びを聞きながら
裁判長は私に背中を向けて去り、
部屋に私の声がむなしく響いただけだった。
裁判は、消化不良のまま、終わった。

そもそも、誰のせいで裁判が長引いたのかわかっている?
「次の仕事があるから
 帰ります(閉廷します)」
と相手弁護士や裁判長に言われると何もできない私。
私は、時間をさいて話をしに来ているのだ。
どうして自分たちの都合で裁判を延ばすのだ!
腹が立ってしかたなかった

私たちの裁判は
あらかじめ自分の主張を書いた文書を準備し
お互い裁判の日までにそれに目を通し
相手の言いたいことを知って
それに対する弁論を用意する。

その際、相手側の田中弁護士は
書類をきちんと用意していなかったので
無駄に裁判が長くなったのだ。
どうして、そこをとがめないのか
不思議でしかたない。

私がその日、話そうと思っていた内容は
全く話す時間がなかった。
準備書面も用意していたのに。

もう1人の1級建築士である寺田専門委員は
私の行動が思慮が足りなかったと思っているような
発言をしてきた。

「普通、これぐらいの規模の建築物であれば
 2~3週間に一回の定例会はやるものですけど。
 おまかせ建設会社は、
 ハイセンスデザイナー事務所と話をしていたから
 渡辺さんに話をしなくても、
 話は伝わるだろうという感覚だったのかもしれませんね。
 それにしても
 ハイセンスデザイナー事務所がおまかせ建設会社と話をするとき
 なぜ渡辺さんは立ち会わなかったんですか?」

「そもそもハイセンスデザイナー事務所と私も
 会って打ち合わせはしていないです。
 電話かメールでした。
 さっき寺田専門委員がおっしゃったような定例会は
 一回もありませんでした。
 ハイセンスデザイナー事務所は現場に行って
 建築士(中山社長)と打ち合わせをしたいと考えていました。
 その打ち合わせは一回もしていなくて
 建てている現場の人たちが、デザイナーに質問してきたそうで
 『自分はデザインはしたけれども
  細かい施行の仕方は理解していないんだけれど』
 と思いながら 対応はしたけれども、
 戸惑ったと言っていました」

是永専門委員は、

「工事が始まってから
 施主とのコミュニケーションが不足していた感がありますね。
 ただ、それはそれとして
 早く何らかの解決をしないといけませんね」

と感想を述べたのだが、次の裁判長の言葉に私は驚愕した。

「では、今日はこのへんで、終わります。
 私も次の裁判が控えておりますので
 時間がありません」

!!!!!まだ話の途中ではないか!
田中弁護士が途中で退廷していったときも驚いたが
裁判長まで途中で、まとめもせずに
閉廷を宣言するなんて、信じられなかった。

私はモヤモヤしながらも
是永専門委員の質問が続いたので
私はそれに答えていった。

「証拠として出されている書類を見ていますと
 ハイセンス事務所が工事途中でのデザインについて
 やりとりをしている様子がうかがえます。
 ハイセンス事務所は渡辺さんに代わって
 建築に関する交渉をやっていたように思ったのですが、
 それは、どうなのですか?」

「デザインについては、
 ハイセンスデザイナー事務所に任せていました。
 デザイナーとして尊敬していたので、
 全面的に任せていました。
 しかし、デザイン以外のものは何も依頼していません。
 デザインについては、契約の甲10号証に反映されています。
 どのような交渉をしたかは
 ハイセンス事務所からも、その都度報告を受けています。
 つまり、契約時にはハイセンスデザイナー事務所は
 私の意図するデザインを
 おまかせ建設会社に伝えていたことになります。
 もっとも、おまかせ建設会社はその件についての書類を
 求めても私にはくれなかったので、
 それを私が確認したのは
 この裁判で初めて出てきた図面でですけどね。
 工事途中で、デザイナーに色や壁紙の確認はあったと聞いています。
 しかし、それは確認だけで変更ではないのです」

私の説明は続く。

「もともと、ハイセンスデザイナー事務所は
 デザインだけの担当なので
 『金額が大きく変わるような変更の連絡は
 おまかせ建設会社が直接渡辺にしてほしい」
 と向こうに伝えてくれていたし
 デザイン事務所に決済権を私は与えていないので
 金額に関わることは全て
 私と直接やりとりしていました」

それにしても
私は司法に携わる人には守秘義務があると考えていたので
裁判長の発言には目を見張るばかりだった。

現在私は二つの裁判に関わっている。
私とおまかせ建設会社で
お互いがお互いを訴えている、別々の裁判である。
当然、話し合いをする日は別々です。

たまたま、二つの裁判の裁判長と弁護士は同じ人であったが、
私が訴えられている方の裁判では、
建築の話を聞くということで
私が訴えているもう一つの裁判には出ていない
専門委員も2名、裁判に来ている。

そういう、「第三者」がいる場で
もう一つの裁判(私がおまかせ建設会社を訴えている裁判)
で出した書類の話を、
持ち出していいのだろうか。
「あっちの裁判で、こう言っていましたね?」
なんて、世間話みたいではないか。

同マンションに関する裁判だといっても
別の裁判なのである。

裁判での発言が議事録にも残る。
もう一つの裁判の話を持ち出すなんて
私は納得いかなかった。

ここで、もう1人の1級建築士である寺田専門委員が
話に加わってきた。

「通常、バルコニーの形が変わったくらいでは
 大きな変更として申請しないと思います」

私はうなずいた。

「そうなんです。
 そういう、『普通、申請しないようなちょっとした変更』
 のことで施主がはんこをくれない、
 とおまかせ建設会社は主張していますが、
 変更の報告は、私は一切聞いてないから
『軽微な変更」どころではなく、、
 もっと大きく変更されてしまってるのではないかと、
 つまり、基本の工事がちゃんとできているかと心配しています。
 とても不安です」

裁判長もうなずいた。

「それは、争点ですね。
 完成しているかどうかという判決につながります」

是永専門委員は、実際の現場での現状について
今回の件とは関係ないかもしれないけれど、
という体をとりながら、話した。

「まあ、実際はいろいろな工事では、
 軽微な変更は事後報告が多いものなんですよね」

しかし、私は、
その話に同意するわけにはいかなかった。

「そうなんでしょうね。
 しかし、そうであったとしても、
 事後でもいいので、やはり説明を受けたいのです。
 裁判になって、おまかせ建設会社さんは
『建物は完成している』
『軽微な変更があり、取りやめた工事がある』
 とだけ裁判で言ってきました。
 それは裁判で言う話ではなく、
 契約者と請け負った業者の間で
 説明確認があればいいことなのではありませんか?
 裁判で『完了している』
 と主張されても、
 私は、施主完了検査もしていないし
 完了検査は受けていないし、
 鍵ももらえなくて入ることができないから、中も見ていないし
 建物が物理的にできたとしても
 引き渡しまでに行う工程をいろいろ飛ばされてしまっています。
 それがないのに、
 先に『残り代金と明細不明の追加料金を支払え』
 と訴えられているというのが現状です。
 こちらの主張は、
 お金を出し渋っているわけではない、
 先に説明をし、施主がもらうべき書類を
 ちゃんとわたしてほしいということです」

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