建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

2024年03月

裁判長が、答えはわかっているけれども、という表情で
質問してきた。

「渡辺さん、違う業者は、もう決まっているんですか?」

私は、首を横に振った。
「この裁判の判決が出ていないので、
 今はそこまで話をつめていません」

裁判長は、ここぞとばかりに
少し口調を強めた。
「この裁判の判決が出るまでにはまだだいぶかかりそうです。
 ですから、判決を待つのではなく
 完了検査の手続きや手直しをするという所については
 お金を支払って
 おまかせ建設会社に頼むという考えはないのですか?」

「うーん。それは今の段階ではわかりません。
 お金に折り合いがつくのであれば、
 早く終わらせたいので
 お願いしたいと思っています。」

寺田専門委員は、この話を進めたいのか
私に具体的な数字を示してきた。
「折り合いをつける気持ちがあるんなら、
 相手は2000万円要求してきているのですから
 1500万円以上は払わないと
 手直しにかかってくれませんよ?」

「!!1500万円以上支払うですって?
 私は、おまかせ建設会社さんに建物を建ててもらっても
 設計図書が全くないので
 どんな建物か、持ち主として
 しっかり把握することができないんです。
 そんな状況で、部屋を人に貸すことはできません。
 ですから、設計図書をくださいということと
 私たちにも建物を確認させてほしいとお願いしたときに
 いきなり『工事はすんだから、残金プラス追加料金を支払え』
 と訴えられたのです。
 そんな状況で、おまかせ建設会社の言い分を通したかのような
 1500万円以上、この段階で支払うなんて、考えていません」

是永専門委員も、おまかせ建設会社を擁護するような発言をした。
「一般的に、工事が終わったら
 検査済書が出て、竣工図がでてくるんですが、
 ほとんどの工事が、
 引き渡しが終わってからその図面を工事業者は出します。
 それが普通の流れなんですよ。
 だから現在、渡辺さんは
 細かい図面で施工状況がわかるものが整ってない
 と主張していますが
 それって、時期尚早なのじゃないですかね?」

「竣工図というものをもらえるなら、
 おっしゃられている通りです。
 それはわかっているのですが、
 図面がないと施主の完了検査ができないんです」

是永専門委員は、顎に手をやって続けた。
「なるほど、そういう意味ですか。
 でも、竣工図に限らず、
 他の機器の保証書や説明書等、
 それら全てをほしいとも思っていますよね?」

私は大きく頷いた。
「そうです、それらの書類を
 ちゃんと頂けるのか?と疑っています」

寺田専門委員の次の言葉に
私は圧を感じた。
「これで交渉が決裂したら、
 おまかせ建設会社さんは、
 少なくとも竣工図書は出さないと考えられますよ」

田中弁護士が要領を得ないので
裁判が円滑に進むよう裁判に付してもらった一級建築士たちなのに
裁判長と一緒になって
「おまかせ建設会社にお金を払って
 解決したらどうなの?」
とぐいぐい押して来る態度に怒りを抑えるのがやっとだった。

「おまかせ建設会社さんが手がけた建物では
 施主の人で竣工図をもらったという人を知らないので、
 竣工図はもらえるとは思っていません。
 もうそれはいいから、最初から
 必要図書関係だけはもらっておきたいという思いはあります」

 裁判長は、私の言葉に耳を傾けなかった。
 
「この訴訟は代金を払えという訴訟なんですけども、
 いくら払いなさい、という結論がでますよね。
 その結論を出すことで裁判は終わります。
 そこまでしかこの事件は解決しないと思うんです。
 でも、それだと問題はのこるでしょ?
 それだったら、渡辺さんが不動産経営ができるようにする
 話し合いの方がいいと思うんですけど、
 それについてはどう考えられていますか?」

「それは判決がどのような内容になるかによって、
 考えていきたいと思います。
 工事は完成していない。
 途中で放置されているという認識ですので
 それらに関しては別に請求をしていく予定です。
 ここで全てを解決できるとは思っていません。
 おまかせ建設会社さんから
 お金を払えと訴えられた裁判なので」

裁判長は替わったけれど
建築面でのアドバイスをしている一級建築士二人は
変わっていない。

私たちの裁判に
途中からではありますが、入ってきて、
一緒におまかせ建設会社の建築会社としてのモラルや
欠陥工事のレベルの低さを感じ、分かってくれていたはずなのに。

裁判をさっさと終わらせたいという気持ちを
ありありと感じて、私は唇をかみしめた。

寺田専門委員は、なぜか完了検査のことを持ち出してきた。
そのことはさっき説明したはずなのに。

「今後、マンションは完了検査を受けないといけないのですが
 渡辺さんが検査を受けるのであれば、
 引き渡しも行われていないので
 おまかせ建設会社に協力してもらわないと話は進みませんね?」

私は、寺田専門委員は何を言いたいのだろう?と思いつつ
 「そうですね」
とだけ答えた。

すると、寺田専門委員は、急に私を責め始めたのだ。

「でも、渡辺さんは、追加工事料金を支払っていないので
 おまかせ建設会社は、協力しないんじゃないですか?
 渡辺さんがお金を払わないと、話が進みませんよね。
 渡辺さんに追加金を払う気はないのですか?」

私は、今までの流れをずっと一緒に聞いてくれていた専門委員の口から
そのような言葉が飛び出したことに、吃驚した。

「同じことを何回も言うようですが、
 追加工事の明細をもらっていないので
 お金も支払えません。
 完了検査もおまかせ建設会社ではなく、
 ちがう所に頼もうと思っています」

「完了検査は他の所でも
 受けることができるんですか?」

「おまかせ建設会社は信用できないので
 誠意をもって正しくしてくれる所を探そうと思っています」

すると是永専門委員も寺田専門委員に加勢してきた。

「おまかせ建設会社にちゃんと完成するまで工事してほしいと
 言っていませんでしたか?」

「ええ、もちろんそうです。
 しかし、実際に建物には欠陥や修繕しないといけないところがあるので
 完成に向けて、引き続きの工事をしないといけないという認識はありますから」

私は、おまかせ建設会社に責任をもって工事してほしいと思っているが
なかなか話が進まないので
完了検査は他の信用できる会社を探そうと思っている、
と答えた。

是永専門委員は、しつこく完了検査の話にもどしてくる。

「完了検査に関しては、ちゃんとしないといけないと
 思っているとはいるんですよね?」

「完了検査の手続きに行くまでに、
 数多くの手直しが必要になることになると思っています」

裁判長も専門委員の質問に、食いついてきた。

「手直しもおまかせ建設会社以外でやって
 完了検査まで受けるということを考えているのですか?」

私は、
「このような状態になっている以上
 そうするしかないように思えます」
と答えた。

専門委員は、建築士として裁判に参加し
いろいろな書類も見て、
おまかせ建設会社の書類に不備があることや
追加の明細もないことを理解しているし、
マンションの現地見分にも参加してくれていたのに
なぜ急に「追加工事代を払わないと先に進めないのではないか」
と言い出したのだろうか。

裁判長が変わると、
内容の引き継ぎがあり、
裁判所内部でも引き継ぎをしているのだと思うが、
原告や被告の主張を改めて整理するという
まどろっこしい工程をが多くはさまれることになった。

そこからは、個別に経緯を説明するということで
いったん、田中弁護士は退室した。

寺田専門委員が、私に質問してきた。

「渡辺さんは、おまかせ建設会社に、
 『追加工事があるのであれば、明細を出してほしい』
 と主張していますが、
 渡辺さん自身は、追加工事があることを認識していましたか?」

「私たちは工事の前から
 『マンションを建てるなら
 ハイセンスデザイナー事務所のデザインで建てたい』という考えで
 工事会社を探していたんです。
 知り合いの松本コンサルタントが、
『それならおまかせ建設会社が受けてくれる』
 と言ったので、おまかせ建設会社にお願いすることになりました。
 仮契約の前に、こちらのデザインの希望は渡しました。
 『ハイセンスデザイナーのデザインで』
 という前提で、取引が始まっているのに
『デザイナー事務所の指示で追加が発生した』『発生した』
 と何度も言ってきたのです。
 最初から『ハイセンスデザイナー事務所のデザインで建てる』
 と言って設計してもらい、
 経費も見積もっていたはずです。
 だから追加が発生したといわれて驚きました。
 『追加が発生したという報告をされても
 こちらは、どんな追加工事をしたのか
 明細をもらわないと精査ができない、
 だから図面関係をください』
 とおまかせ建設会社に要求しました。
 でも、追加工事の内容の書類は、もらっていません。
 今までの裁判の中で、証拠で出してますけど、
 本当に追加があれば支払いますが、
 詳細がわからず、追加の明細もないので払うことができない
 と主張しています」

「追加料金は2000万円とのことで、
 A4で1枚の紙にExcelで項目を書いただけのものはもらいましたが
 その項目の品の説明がないので
 納得することはできなかったです。
 『ビタ一文払わない』とか、『追加の認識をしていない』
 とかではなくて、
 マンションのどの部分の何を払えと言っているのかが
 分からないのです。
 最初の工事の内訳も出てないし、
 追加と言っているもの詳細も、ずっと私はもらっていません」
と私は、これまでのいきさつを説明した。

寺田専門委員は、じっと私の説明を聞いていたが
「ということは、渡辺さんは
 ハイセンスデザイナー事務所のデザイン内容は
 最初の契約に全部含まれているはずだと思っているのですね?」
と確認してきた。

私は、力一杯答えた。
「もちろん、そうです」

私はこのときまで、一級建築士である二人の専門委員は
公平な目で、建築法に基づいて事態を把握し
おまかせ建設会社の悪事の内容を
明らかにする手伝いをしてくれていると思い込んでいた。
裁判長が替わったとき、
田中弁護士は変わらなかったが、
専門委員も変わらなかったのだ。
この二人には、細かい説明をしなくても
事情を把握してくれていると思っていた。

味方だと思っていた専門委員が
この後、想像も付かなかった発言をするのである。

私は、もう一度説明を繰り返した。

「まず、建物がどのような状態であるか、
 監理報告書等が一切なく、
 状況が全く分からない状態でした。
 耐震に疑問があり、
 おまかせ建設会社専務が構造計算をもう一度すると言っている時に、
 確認申請の手続きだけが進んでいるので、
 確認申請が通ってしまったら、
 それ以上の工事は放棄されてしまうと考えたので、
 手続きを一度止めましたということです」

是永専門委員は、その部分にこだわって追及してきた。

「構造的な事が心配になったのは
 素人の自分たちで計算をされた結果なのですか?
 ハイセンスデザイナー事務所からの報告なのですか?」

「おまかせ建設会社からハイセンスデザイナー事務所に
 『梁がずれている』と連絡があったんです」

寺田専門委員は、意外だという顔で
念を押してきた。

「梁のずれは、ハイセンスデザイナー事務所が見つけたんですか?」

「いえ、おまかせ建設会社の方から
 ハイセンスデザイナー事務所へ連絡が入ったんです。
 それで建築に詳しい人に確認してもらいました」

「そのスリーブはダクト等を通す穴ですか?」

私は、首を横に振った。
「いえ、一階の大きい梁です」

田中弁護士は、そこを詳しく追及されると困るのと思ったのか
あわてて、話題をそらそうとした。

「構造計算上は問題ありません。こちらも確認していますから」

私は、きっと田中弁護士をにらんで
「計算して問題ないのであれば、
 私にそういう正式な報告を頂きたいんです」
と要求した。
 
田中弁護士は、どんどん話をずらしていく。

「相対でしないから、仲介業者を入れたんです。
 それが田辺さんという方なんです」

「そんな事になってないです。
 田辺さんは、関係ないです。

田中弁護士は取り合わない。
「相対でするんなら、わざわざ業者をいれません。
 広く募集をするためには業者が必要でしょ」

裁判長
「多分その田辺さんの関係も
 今までの書面で詳細は書かれていることと思います。
 そこは確認をしておきたいと思うんですけども、
 今後の進行として
 おおむね双方の主張は全部出していただいたという事であらば、
 どこかの段階で
 話し合いによる解決をする段階に近づいていると思います。
 それについてはご意見を伺いたいと思います。
 おまかせ建設会社の方はそれについてどう思いますか?」

田中弁護士は胸を張った。
「主張・立証については出し切っています」

裁判長は、首をかしげて
「先ほど、田中弁護士は
 言い足りてないから、今、調停されたら困る
 という事を言ったと思ったのですが、いいんですか?」
と確認をした。


「追加が別工事だという認定がないまま調停案がでると、
 こちらとしては納得できない案になりますので、
 ある程度、追加なのか追加じゃないのかという心証は
 固めた方がいいと思います」

裁判長は頷きながら
「つまり、追加の判断が曖昧なままでは困るけれども、
 追加があったことを認めたら、
 解決の方向に向かうという事ですか?」
とまとめようとした。

「今日は、今回、裁判長が変わるという事で
 今までの流れを説明するつもりで書面を出しております」

「分かりました。そのつもりで書面を読ませていただきます」

是永専門委員は、田中弁護士に確認を続けた。

「工事が完成した、していないというのは
 工事の進行具合の検討の際、大きな判断材料です。
 でも、今も発注されて請負されている状態が続いております。
 これを早く帰結しない事には、
 工事会社さんの方の残金も支払われないので困ると思います。
 主張を出し尽くしているのであれば、
 調停委員としては、
 今まで出てきた事実をベースに
 結果を協議させて頂こうかと思います」


すると、それを聞いた田中弁護士は、
急に話の矛先を思いもよらない方にもっていったのだ。

「裁判長、専門委員の先ことでは、
 渡辺さんとおまかせ建設会社の間に入ってこられた田辺さんや、
 松本コンサルタントの話も聞いていただきたいです。
 この方たちの話をしないことには、
 こちらとしては主張をし尽くせないと考えております」

なんだって?田辺さん?
この方は、私の裁判とは全く関係のない人なので、
今まで裁判に名前が出てきたことはなかった。
 
この人も、松本コンサルタントの紹介で
おまかせ建設会社で賃貸マンションを建てようとしたらしい。
それが、私とおまかせ建設会社がもめはじめた頃で
私とおまかせ建設会社がもめている理由が気になり
興味をもたれたようで、
私に経緯を聞きに来られた、ということがあった。

知り合いではない。
以降、田辺さんとの関わりもない。
それなのに、田中弁護士は、

「渡辺氏は、田辺さんを間に入れて
 田辺さんを自分の味方につけようと
 おまかせ建設会社の悪口を田辺さんに吹き込んだのですよ」
 
と言い出したのだ。
私にしてみれば、なぜ今ここで田辺さんが登場するのかわからず、
ましてや、自分の味方にしようとしたなんて、
ひどい言いがかりだと驚いた。
これも、田中弁護士のいいかげんな答弁の一環なのか。

しかし、裁判長は、その話を取り上げた。
「それは追加の金額の合意にかかわる立証という事ですか?」

田中弁護士
「そうです。
 裁判長が今まであげた証拠で十分だとおっしゃるのであれば、
 特に取り上げていただかなくてもかまいませんが」

私は黙た。
 梁のずれやコア抜き等々、
 それらの件について話し合うために
 おまかせ建設会社っていられなかった。
「こちらからも発言していいですか?
 おまかせ建設会社が
 『渡辺が売却しようとしている』
 という主張をしている事実はありません。
 
 売却の話については、第三者に売却したいと言ったことはありません。
 何度も答弁しておりますが、
 おまかせ建設会社中山社長自身が言い出したことなのです。
 完成間近になり、
 マンションに色々な不具合がでてきまし社長が家に来ました。
 その時に社長自らが
 『建物に不具合の心配があるのであれば、こちらが買い取ってやる』
 と言って帰っていったんです。
 この時点では、マンションに不具合があるので、
 中山社長が買い取ってくれるのだと、私たちは考えました。
 田辺さんは何の関係もありません。
 そこから工事が止まりまして、
 こちらは『買い取りの話はどうなってるんだ』
 と手紙を出したんですが、無視をされ、
 こちらは工事の状況が分からない状態が続きました。
 確認検査機構等に行って確認検査の状況を調べたら、
 完了検査が行われているという事が分かり、
 そんな状況で完了検査をおろされても困ると思いました」


私は自分から売却の話を出したのではないということを説明したが
寺田専門委員は、
行きがかり上私が思わず話した、完了検査の話に食いついてきた。

「完了検査をしたら、何が困るんですか?」

「耐震性に疑問があったからです。
 スリットの上にタイルが貼られていました。
 追加金に関しても根拠が全く分からない状態でした。
 この状態では残額は払えないと話をしていたんです。
 私たち追加代金を払わないと言ったことはありません。
 追加代金があるならば詳細を教えてくださいと言いました。
 私たちに知識がないから
 ハイセンスデザイン事務所に確認したいと伝えていました。

 梁等にも不安があったので、
 おまかせ建設会社に問い合わせし
 専務より『構造計算をやり直します』
 という連絡ももらっています。
 その後、中山社長が家にこられて、自ら、買い取ると言われたんです」

 裁判長は、苦虫をつぶしたような顔をして、
私に質問してきた。
「今、寺田専門委員は
『完了検査をされたら何故困るか?』という質問をしたのですが
 それの答えになっていませんよ。
 その回答はしないのですか?」

私は、裁判長は、私が今話したことをちゃんと聞いてくれていないと思った。
「田辺さんは関係ないし、売却したいと自分から言い出していない」
と話しているのに、それにはふれずに、
「専門委員の質問に答えていませんよ?」
とあげ足をとって、圧をかけてきたように思った。
私が話したことに対する反応はないのは
平等に扱われていないということだ。
それでも、私は続けて説明をした。

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