私は渡辺拓也(仮名)
妻と子どものいる、ごく普通の男である。

そんな平凡な私が、不動産投資に興味をもち、
自分なりに勉強をして
計画をしっかりたて
賃貸マンション建築に乗り出したのは
何年前のことだっただろうか。

マンション経営に向かって意気揚々と出航したのに
今の私は、マンション経営どころか
全額ではないにせよ、多額のお金を払ったのに
今の段階で、自分のマンションを、手にしていない。

私が発注をした建築会社は
違法建築物を量産している会社だった。

そうとは気づかずに
その会社と建築契約をしてしまい、
途中でいろいろトラブルがあった。

その都度指摘をしたが、対応してもらえず、
すったもんだしながら時は流れ、建築が続き
完成間近になって、
引き渡ししてもらったら困るような建物が
できてしまったことに気がついた。

それなのに、あろうことか、
建築会社は、分割払いの最終段階の建築請け負い料金と
多額の追加料金まで請求してきた。
つまり、お金を払えと裁判に訴えてきたのだ。
そんなことに応じられない。

私の戦いは現在進行形で続いている。

負けるわけにはいかない。
私の、そして家族の未来がかかったこの戦い
私は絶対勝ってみせる。

正しいことが認められない世の中にしてはいけない。

どうしてこんなことになったのか、
私は、この「大手建設会社と戦う男の物語」に
記していくことにした。
経緯を振り返り、まとめることにより
自分のどこが悪かったのか
これからどうすればよいのか
考える材料にしたいと思っている。