私が松本貴之氏に
「賃貸マンションをつくりたい」
という話をすると、
松本氏は破顔して応えた。

 「おぉ、そうかそうか。
  マンションを建てる決心したんやな。
  それはええことやな。
  拓也くんは、私のセミナーの教え子やしな。
  ちゃんと経営もしていけると思うわ。
  よっしゃ!じゃあ、本腰入れてやってみるか?」

松本氏は、
関西出身なのか、ふだんは関西弁で話す。

セミナーのあと、時間を作り
まず私がどう動いたらよいか
親身に相談にのってくれた。

 「拓也君は、ぼくのセミナーで
  既にずいぶん勉強してると思うけど、
  賃貸マンションは、
  誰をターゲットにした建物かで、
  いろいろなことが決まってくるねん」

 「不動産賃貸は、イメージつきにくいかもしれんけど
  レンタル業の一種やねん。
  だけどな、扱うものが建物やから
  レンタルするとはいえ、そう簡単に建物を入れ替えするわけにはいかん。
  1度の仕入れで、20年30年とやっていかなければいけないやろ?
  大手ハウスメーカーなどの、
  どこにでもあるような建物を建てても、
  数年で価格競争に巻き込まれるだけ。
  怖いのは、空き室が多くなることやで。
  そうならないように、
  どこにでもあるようなマンションを建てたらあかん。
  部屋を借りてくれる人の入れ替わりはあっても
  すぐ次の借り手が決まるようなマンションを建てるんや!
  どのようなマンションを建てるか
  しっかり考えていこうな!」

私は、不動産投資のことを学んで来ていたが、
賃貸住宅経営者としての心構えの方が主で、
建物の建て方の知識がなかった。
建築方面の知識まで研修する余裕がなかったのだ。

だから
建物の建て方から相談にのってくれるという
松本氏の言葉で、大きな味方を得たと思い、力強く思った。