建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

カテゴリ: 私が建てている賃貸マンション

「地鎮祭」とは、
土木工事や建築などで工事を始める際に、
着工工事の前に土地の神(氏神)様に対して
これから工事を行う許しを得て、
安全を祈願する行事である。

規模によってやり方は多少異なるが、
基本的には土地の四方に青竹を立て、
そこをしめ縄で囲って祭場とし、
神主をはじめ、
建設業者や施主など関係者が集まって
安全祈願を行う儀式のことだ。

私の賃貸マンションは、
予定通り、2018年7月下旬に工事着工した。
私は、当然、工事に入る前に
「地鎮祭」を行うと思っていた。

マンションで行う地鎮祭に関しては、
やるべきかどうかの明確な基準はないとは聞いていた。
それでも上棟式や竣工式に比べると、
地鎮祭を行う業者の割合は高いらしい。

私は信心深い方ではないかもしれないが
何かあってから
『あのとき、やらなかったから……』
と思うのは嫌なので
世間の人が験担ぎですることは
私もしたいと考えていたのだ。

ところが

 「地鎮祭?やる予定はありませんよ。
  おまかせ建設会社では、
  少しでも建築代金を下げるため
  地鎮祭なんてのは、基本的にやらないのです」

と松本氏が言ったので、驚いた。
地鎮祭の費用は諸経費に入り、
それを行うか決定するのは、建築業者であるというのだ。

今思えば、おまかせ建設会社は
地鎮祭の段取りも
面倒くさかったのではないかと思う。

妻絵理菜は、地元で数多くの地鎮祭を見てきていたし
私自身も
これから始まる大工事に対して
竣工まで安全に工事が進みますようにと
お願いする、神聖な行事ととらえていた。

子どもの宮参り、七五三などと同じく
特に信仰心が厚くなくても
(それではいけないのかもしれないけれど)、
地鎮祭は「建築を始めます」という
世間では、よく行われている行事だと思う。

地鎮祭の後は、業者が集まる機会でもあるので
業者と一緒に
「工事の間、お騒がせします」
という近所挨拶に回ることも多いとセミナーでも聞いていた。

それをやらなかったから
その後、こんな裁判沙汰になるまでもめてしまったのかもしれない。
原因をそこにも求めてしまう自分がいる。

2018年6月に締結した請負工事契約は
次のようなものであった。

★発注者…渡辺拓也

★請負者…おまかせ建設工業株式会社 

★請負代金額…約2億1000万円

★工事の期間…2018年7月下旬~2019年3月末日

★建物の概要…RC5階建て

★契約日…2018年6月吉日

★契約時出席者

 渡辺拓哉と妻絵理菜、連帯保証人となる家族の母渡辺綾子

 おまかせ建設会社 営業部長安田武雄・松本コンサルタント

 

工事費は、松本コンサルタントの指示通り

地域センター信用金庫から融資を受けることとしたが

おまかせ建設会社が

着工事費用を請求してきたので

この日、地域センター信用金庫ベシニティ支店にて

着工事費 7500万円を振り込みで支払った。

私が一番気にしていたマンションのデザインのことだが
おまかせ建設会社の安田営業部長が
仮契約の前にハイセンスデザイナー建築事務所に行き
アドルフ坂井氏から、
私の希望する条件を組み込んでつくった図面(甲1号証)を
ちゃんと渡してもらい
おまかせ建設会社に持ち帰ったということを聞いたので
「1年前の仮契約時に、既にデザイン図面が伝わっているのなら
何も問題はないな」
とそのことは安心していた。

 

土地契約は
松本さんの紹介でA仲介会社を通して行われた。
土地代は4000万円かかった。
全額自己資金で用意したので
コンサルタント料と合わせて、相当な出費となったが、
これもまあ、理想のマンションを建てるための
必要経費であるだろうと理解した。

私は土地を手に入れたことで
最初の大きなハードルを越えたと思った。

いよいよ建築会社を決める段階に入ったぞ。

建築会社については、
私の予算や理想にぴったりの
建築プランに出会いたかったため
できるだけ多くのハウスメーカーを接触して
比較しようと思っていた。

松本コンサルタントは、
「建物概略計画案」をコンサル契約する前に見せてくれたが
それは、自分の知り合いであるおまかせ建設会社が
サービスで作ってくれたものだと
説明してくれていた。

その案をたたき台にして
ハウスメーカー巡りをしようと考えていたのだが
なんと松本氏は、
ハウスメーカー巡りはしなくてよいと言い出したではないか。
「建物概略計画案」をつくってくれた
「おまかせ建設会社」を猛烈に推してきたのだ。

その「おまかせ建設会社」の名前は聞いたこともなかったし
私には譲れない条件があったので躊躇した。

それは建物デザイナーのことだった。

松本氏とはコンサルタント契約を結んでいたが、
実はデザイナーは知人に頼もうと思っていたからだ。

その知人のセンスのよさは抜群で
大変私好みだった。

これから賃貸マンション経営をする私は
普通のマンションではなく
自分が住みたくなるマンションを建てたいと
ずっと考えていて
建てるならハイセンスデザイナー建築事務所の
アドルフ坂井デザイナーに建物のデザインを頼むと決めていた。
アドルフ氏にも内諾を得ていた。

だから、それに対応してくれる建築会社にしか
施工を頼めないのだ。


そこで、松本コンサルタントに
 「このデザイナーでの建物をつくりたい、
  それの対応が可能な施工会社を探してください」
と伝えたら、
松本氏はにやりと笑って
  「おまかせ建設会社は、デザイナーの件も
  対応できます」
と即答したのだ。

↑このページのトップヘ