建築会社と戦う男の物語

「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」 を小説に書き換えた、サブブログです。

私は渡辺拓也と申します。
脱サラをし、
不動産投資に取り組みました。

しかし、人生の全てをかけた新築マンションを
建ててくれた建築会社と、現在裁判で係争中。
マンションも手に入れていません。

そんな私の失敗談記録を公開した
「訴訟額2億1000万!?新築マンション投資失敗ブログ」
を開始したのが2021年5月でした。

その中味をわかりやすく
ノンフィクション小説として書き換えたのが
このブログです。
こちらのブログもよろしくお願いします★

カテゴリ: マンション工事

上棟日は、3月21日に予定されていた。
当初予定より3ヶ月は遅れ、
完成予定日すら過ぎているが、
それでも初めての儀式なので
ちょっとどきどきしていた。

建築における三大儀式と呼ばれる地鎮祭、上棟式、竣工式のうち
木造建築の一戸建てとは違い、
マンションの場合は、上棟式、竣工式より
地鎮祭を行う業者が多いと聞いていたが
うちの場合は、地鎮祭は行わなかったので
少なからず、上棟式には期待をしていたのである。

初めのマンション建築の実感を味わえるものだと思っていた。

けれども実態は、上棟日と聞いていたのに、
上棟式は行わず、
最上階のコンクリートを施工しただけで
肩透かしをくらった。

しかも
現場確認の後に
おまかせ建築会社から
「上棟時分の7500万円を支払ってください」
と請求されたので 
その足で、地域センター信用金庫ベシニティ支店におもむき
振り込みで支払った。

この時に打合せが行われ、おまかせ建築会社から
今後の工程表をもらった。

出席した人
発注者:渡辺拓也・妻、絵理菜
    請負者:おまかせ建設会社営業部部長 安田武雄
                建設部部長
                建設部課長
同席者:松本貴之コンサルタント

それまでの工事の大幅な遅れについて説明を求めたが
理由の明確な回答はなく、
「急いで進めます。」という返事のみで終わった。

そのまま完成予定の3月下旬が過ぎた。
私はあせるしかなかった。

入居者募集は中断したが
それより、いったいマンションはいつ建ち上がるのか
詳しい説明もないのだから
不安でたまらない。
自分で工事の進行状況を確認するしかなかった。

4月末にはコンクリートの躯体ができていて
1階から3階あたりまでの内部工事が行われていた。

しかし、大工さんに聞いても
現場監督(おまかせ建築会社)に聞いても
完成がいつになるのか明確な返事をもらえず
全く予想もできない状態が続いた。

再三にわたる催促で、
やっと工程表がメールされてきたが
「工事完成予定は6月10日」とかいてあって
愕然とした。

「どうしてこんなに大幅に遅れているのか」
と松本さんやおまかせ建設会社に抗議したが
何を言っても、のらりくらりした対応で
私は途方に暮れるしかなかった。

★近くの喫茶店様からの話★

作業の騒音や振動がとてもひどく、
お客様が落ち着いてくつろげないことがあった。
お店は17時までだが、
うちは店舗兼住宅なので
工事が夜中の23.24時まで続くこともしばしばあって、
土日もやるので、
夜眠れないことが多くなった。
コーヒーを飲みに来て下さるお客さんが
 「うるさくてくつろげない」
とおっしゃったのをきっかけに、
直接現場に行って文句を言いに行った。

声をかけても、作業中の手もとめず、
こちらに目をやっても、
無視して自分の仕事を続ける。
抗議しても、反応しない。
こんな人種がいるのかと呆れて、
話しても無駄だと思い、
町内会長さんの所へ相談に行った。

工事現場では、水で洗う作業があるのか、
中に水たまりがたくさんあった。
水はけが悪いのか、
水たまりがなくならず、
仮囲いが外れている箇所があったので、
近所の子が入り込んだりしないかと気にしていた。
 
風が強かった日に、仮囲いが倒れた。
幸い、被害はなかったが、
誰かが下敷きにでもなっていたらと想像して、ぞっとした。
この件では警察も来て対応していた。

工事中、資材搬入はもちろん
職人の車と思われる車の違法駐車が多く、
道幅が狭くなって、通行に支障をきたしていた。
これも、現場の職人に直接文句を言いに行ったが、無視した。

道路に大型トラックを停めて、
そのトラックの上や道路で
何かの作業をしているのを度々見かけた。
道路は公共のものなので、
そこで堂々と工事していることに呆れた。

 ★工事現場隣の家の方の話★

日付が変わる24時まで工事されると
子ども達が眠ることができず大変困った。
工事現場に
 「うるさいから、静かにしてっ!」
と、よく誰かが夜中でも怒鳴り込んできていた。
中にはパジャマ姿で抗議している女性もいた。

 ★道路向かいの近所の方の話★

うちは工事現場のすぐ近くなので騒音がひどく、
うるさくて、落ち着けなかった。
おばあちゃんは耳が少し遠いが、
おばあちゃんに話をするのが困難となり、
大声で耳元で叫んだり、
おばあちゃんも話が聞き取れなくなったりして、
元気がなくなっていった。
テレビも大音量にして聞いていた。

工事は日暮れてもライトをつけて、
遅くまでしていることが多く、
特に工事の終わり頃には
毎日夜中まで工事をするようになり、
おばあちゃんが眠れなくて、
しばらくおばあちゃんは弟の家に身を寄せた。

うちは道路向かいだったからまだましだったと思う。
マンションの両隣の人は「眠れない」
と目の下にクマをつくっておられたこともあった。

建築中、工事主などは、
外部から見えるように情報を
看板に立てておくものだと思うが、
それもなく、工事主も施主がわからないから、
直接現場に言いに行くしかなかった。

日参しても聞きいれてくれないため、
谷山朔太郎会長さんのところに相談が多く寄せられていた。
会長さんは穏やかな方で何年もこの町のために
ボランティアで会長をしてくださっている方なのに、
会長さんは、大変だったと思う。

近所の皆さんは、
違法駐車の様子や、
車をとめて、そこで道路上に資材を置き、
工事している証拠写真を撮ってくださっていたので、
それを今
係争中の裁判に使わせてもらっている。

なお、工事業者の看板の設置は義務づけられている。
建築基準法第89条の「建築確認済証の概要掲示板」は
A3版の大きさで、
建築主の氏名や他の掲示の規定があり、
必ず設置しないといけないものである。

しかし、うちの場合、
基礎を行う段階で、
この看板自体が外されて、
現場の中に放置され、
廃棄されており、
近所の人がクレームを入れる時に連絡先が不明なため、
近隣の皆さんに迷惑がかかってしまった。
施主が渡辺拓哉という情報はご近所さまには知らされていなかったため
当時の私は、そのことに気づかなかったのであった。

かなり後に、自治会長、谷山さんと偶然現場で出会い
トラブルの全容を聞いたときは
私は心底驚き、
申し訳なさ過ぎて震えてしまい、
涙が出そうになるくらいだった。

建築中、マンション建築現場周辺道路に
毎日あまりにもひどい違法駐車が続いたので、
通報もし、警察も何度も来た。
通学路なので、何台も違法駐車されると危険である。
子ども達が危険にさらされた場面が、いくつも見られた。

コンクリートを割る際、騒音がすさまじかったが、
それが深夜にまで続けられたことがあった。

谷山自治会長が、
おまかせ建設会社の現場監督らしい人を見かけて
騒音のひどさについてクレームをいれたら
おまかせ建設会社名で
「休日の作業などのお知らせについて」
という手紙が届き、
工事日や、作業時間について、改めてお知らせが届いたが
その後も、工事日と聞いていない日や時間にも作業することが続き
お知らせの手紙の内容は嘘八百句並べたものだった。

工事日と知らされていない休日に
閑静な住宅地でクレーン車を使って
騒音をたてて工事をすることが多かったので
周辺の住民さまは困惑していた。

お知らせさえすれば、
休日・夜間に作業してもよいということはないが、
そんなふうにお知らせもなく工事することについて、
おまかせ建設会社からは一度も説明・謝罪はなかった。

工事現場の周辺住宅には、
病気で伏せっておられる方や、高齢者も多かったので、
夜中や休日の工事は、本当に迷惑だった。

再三にわたって、工事現場に行き、
改善を求めた地域住民もいたが、聞き入れられず、
24時頃になっても、
コンクリートを破壊するようなひどい騒音を立てて
工事を続けていたので、その時には、
夜中であったのに、現場に行って
「工事を止めてほしい。」「眠れない。」
と言いに行った人は一人や二人ではないほどだった。

それでもやめないので、
そのクレームの相談は、全部自治会長のところに寄せられた。
でも自治会長も、対応の方法がわからず、困り果てるだけだった。

違法駐車、深夜までの作業、騒音、ほこりなどの問題が
解決されないので
谷山自治会長は市役所にも相談に行き、
市役所からおまかせ建設会社に改善するよう連絡してくれたようだが、
状況は全く変わらなかった。

自治会長も、10年以上この地で会長を務めているけれど、
こんなトラブルを見たのは初めてと疲れておられた。

駐車場を世話してあげたのにすっぽかされたことに始まり、
この工事で谷山自治会会長さまに
多大なるご心労をおかけしてしまった。

外から見ても、工事の遅れが著しいのがわかる。
その上、「3月末に完成するのか?」と問い合わせても
誰も答えてくれない。

不安が日増しに大きくなっていった。

私のマンション担当から返事をもらえないまま困っていると
おまかせ建設会社の
別の現場を担当している、現場監督吉田という人から
 「今は、昨年秋に起きた災害の対応で
  建物建築依頼、補修依頼が多くて
  職人さんの確保が難しく
  人手不足になっている。
  だから、建築会社がパンクしそうなくらい多忙で
  工事を早くするという対応が、難しい。
  ”納期に合わせろ”とこちらから工事を急かすと
  職人が、見えない所で手を抜いた工事を行う可能性も高いんですよ。
  突貫で手抜き工事されても困るので、
  うちの会社としては、急がせたくないんですよね」
などと、工期を間に合わせようとする姿勢が全くない話を聞いた。

ええっ?私の担当者からはそんな話
全く聞かされていない!
その話が本当なら
「職人が確保できない」なんて今さら言われても困ると腹が立った。

そんな中、おまかせ建設会社からやっとメールがきたと思ったら
「上棟日は、3月21日に予定しております」
と書かれていたので、思わず目を疑った。

えええええっ!!
3月中旬に上棟するようでは
とても3月下旬に建物は完成しないではないか。

驚きと怒りで頭がいっぱいになった。
間に合うのか何度も問い合わせても
返答がなかったのは
全く間に合わないことが
わかっていたからなのだろうと歯ぎしりした。

おまかせ建設会社には腹が立ったが
とにかく私には優先しないといけないことができた。
こちらは、入居者募集を順調に進めている。
入居募集パンフレットには
「4月から入居できます」
と書いていたので、
募集要項を書いたパンフレットを配った
不動産仲介会社に
「4月入居はできない可能性が高くなりました」
とお詫びの連絡をしないといけないことになり
その対応をしないといけないはめになったのだった。

契約したときは、会社勤めで別の県に住んでいたから
なかなか工事の進捗状況を把握しにくい部分が
あったことは否めなかった。

私の賃貸マンションは、
2018年7月下旬に工事着工となっていた。
しかし、8月に入っても工事に入る気配がなく
2ヶ月程の遅れて工事が始まったようで
遅れが発生していることには気づいていた。

しかし、遅れが発生していることもついて
松本コンサルタントから何も連絡がなかったし、
おまかせ建設会社からも報告がなかったので
こちらから、工事現場を見に来て気づいた時に
松本氏に確認をしていたが、
松本コンサルタントは
 「これくらいの遅れはよくあることです。
  大丈夫ですよ」
  「行政手続きでいろいろ言われたり、
  オリンピック関係で工事業者が少なくなっており、
  杭打ち機や職人の確保が難しいので、
  開始が遅れただけです」
とあまり取り合ってくれなかったので
大丈夫なのかなと思っていた。

建物建築に関しては
おまかせ建設会社を全面的に信頼していたので、
まちがいなく工事が進んでいると
油断していた。

年が明けて2019年1月
工程表を確かめてみれば
マンション建築は、3~4ヶ月ほど遅れていた。

開始のときよりさらに遅れ具合がひどくなっていたのだ。
さすがに不安になり、
おまかせ建築会社の現場監督、結城さんに
 「私は、完成が3月下旬と思って
  入居者募集の活動に入っています。
  しかし、工事が大幅に遅れているのではありませんか?
  予定通り3月に工事は終了するのですか?」
と工事完成時期の確認をしたが、
結城さんからは、明確な返答がなかった。

入居者募集活動を順調に進めている私としては
現場監督から答えがもらえないため
何度もおまかせ建設会社に連絡したが
おまかせ建設会社の誰からも
工事の完成時期の見通しを教えてもらえなかった。

不安が募るばかりだった・・・・・

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