おまかせ建設会社代理の田中弁護士は、建設のことに詳しくなく
審議が進まないので
裁判所は途中から、
裁判所は途中から、
1級建築士の寺田氏と是永氏に
専門委員として裁判所より依頼して加わってもらっている。
裁判長が変わっても、この二人も
田中弁護士同様、変わらなかった。
裁判長が変わっても、この二人も
田中弁護士同様、変わらなかった。
まず田中弁護士は、提出した書類の説明をした。
「確認申請の副本について、
委員の方から原本を持参するようにご指摘があったので、お持ちしました。
全てのページに、委員がご指摘された判は押されておりません」
寺田専門委員は原本を手に取り、驚いていた。
「図面にはんこを押さない検査機関なんかないでしょう!?
それにしても、この原本、すごく薄いですね」
私は、その原本をみせてもらっていないので
原本を確認している専門委員に質問した。
原本を確認している専門委員に質問した。
「その確認申請証の中に構造計算書は入っていますか?」
是永専門委員はページをめくりながら答えてくれた。
「入っていませんね。
確認済証の本証は、おまかせ建設会社の方にあるのですか?」
田中弁護士はばかにしたような目つきで私を見た。
「入っていませんよ。
当たり前です。お金を払っていない人には渡せません」
当たり前です。お金を払っていない人には渡せません」
(私は即座に
「当たり前です。ちゃんと書類も出せない人にお金は渡せません」
と言い返したかった)
「当たり前です。ちゃんと書類も出せない人にお金は渡せません」
と言い返したかった)
是永専門委員は、さらに田中弁護士に質問した。
「引き渡しをせずに、書類を持っているということですか?」
寺田専門委員は、書類を丁寧に点検したあと、言った。
「たしかに、どのページにもはんこがありません。
これは、本当に確認申請書副本として返ってきたものですか?」
是永専門委員も、はんこがないのを確認して田中弁護士に言った。
「これは、確認申請そのものではなく
抜粋したものですね」
さらに寺田専門委員は追及した。
「普通、図面や書類に、確認検査機関のはんこが押されているものなんです。
はんこがないというのは、これは正式な書類なのでしょうか?
少なくとも私が知っている、検査機関や役所では見たことがない。
図面にはんこが押してないのは初めてです」
田中弁護士は、そう言われても動じない。
「おまかせ建設会社さんは、
『はんこを押したものも押していないものもある』と言ってましたよ」
是永専門委員は首をかしげながら言った。
「民間の検査機構ではやり方が違うのでしょうか?
どちらにしろ、はんこがなくても、これは
確認申請時の図面と同じものということなんですか?」
専門委員が提出された書類に疑問を呈しているが
裁判長は、全く別の確認を田中弁護士にした。
裁判長は、全く別の確認を田中弁護士にした。
「とにかく、この資料は、前回指摘されたので
今日田中弁護士が持ってこられたという位置づけの書類ですね。
それ以外の主張や証拠はもう出してもらっているということですね」
専門委員が、田中弁護士が出した書類に不備があると言っているのに
裁判長は、その書類の不備には触れず
やっつけ仕事的に
「出さないといけない書類は、もうありませんね?」
という話し方なので、驚いた。
はんこがないとか、
構造計算書が入っていないとか
薄いとか
明らかに専門委員が指摘している内容に対して
田中弁護士にきちんと確かめないのは
なぜなんだろう?