さて、また私がおまかせ建設会社から訴えられている裁判の話にもどる。
私とおまかせ建設会社は、
私の建てたマンションのことで
双方相手を訴えているので
裁判が2件あるのである。

4月から裁判長が変わり
おまかせ建設会社が原告の方の裁判は今までの内容の確認が多くて
それに忙殺されるという状態だった。

裁判長は、そこまでの経過説明に聞き入り
「今までの話をまとめますと、
 おまかせ建設会社としては、
 工事の残代金が残っていることと
 追加変更した分を合わせて早く支払ってほしいという主張ですね?」
と訊ねてきた。

答える田中弁護士は、相変わらず
自分のことはさておいて、我が道を行くスタイルを貫いている。

「はい、そうでございます。
 渡辺さんの主張は、
 従前の調書に書いてある既定路線から離れないで
 検討をお願いします。
 今まで話し合ってきたことを蒸し返すのは
 勘弁願います」

裁判長は、私に問いかけてきた。
「大筋の争点としては
 今申し上げた請求原因レベルがあると私は認識しております。
 前回の話だと、渡辺さんはおおむね自分の考えを主張したということでしたので
 調停委員会として調停を検討していきたいのですが。
 渡辺さん、それでよろしいですか?」

私は裁判長が私の主張をちゃんと理解してくれているのか疑問をもっていた。
「私の立場としましては、
『従前の調書に書いてある既定路線から離れないで
 検討してほしい』
 と言われましても、
 信義則に反しない形で、主張をしていきます。
 まずは、新しい裁判長がどのように考えているのか
 分からないことが多いので
 今日は裁判所のお考えを教えていただきたいです」

裁判長が怪訝そうな顔をした。
「中身についての考え、ですか?」

私はうなずいた。
「はい。このケースでは本工事がどれを指すのか
 それが争点だと思うのです。
 本工事の内容がはっきりして、
 追加工事の全貌が明らかになります。
 
 契約の対象の書類が二転三転して、
 どれなのかがはっきりしないまま
 前裁判長の下での審議が終わってしまいました。
 追加工事だとおまかせ建設会社が主張している
 “ハイセンスデザイナー事務所指示の工事”は
 甲4号証の書類に当初から入っております。
 私は、甲4号証が当初の本工事とされていた
 と主張しておりますので
 その件について
 裁判所のお考えをお聞きしたいと思っています」