<答弁書>

1.工事請負契約の締結について

私、渡辺拓也は、おまかせ建設会社との間で
工事請負契約を締結したことは認める。
ただし、私は建物図面は
工事契約時に受け取っていないので、
どのようなものか知らない。

また、
「対象建物は、おまかせ建設会社の標準仕様に基づくものだ」
という言い分に関しては
私は、おまかせ建設会社標準仕様について
おまかせ建設会社から説明を受けたこともなく、
どのようなものか知らない。

<渡辺拓也の主張>

1.工事の遅れに関する説明がない、及び必要書類をもらっていない。

 本件建物は、着工後に大幅に工事遅延となったが
 おまかせ建設会社は、その事情などを
 私に何の説明も行っていない。

 また、工事内容についても
 疑問を問い合わせたが
 おまかせ建設会社は、何の説明も行わなかった。

 その後に、私とおまかせ建設会社が
 工事状況等について協議した結果、
 おまかせ建設会社が
「工事途中である本件建物を買い取る。」
 という提案をしてきたので、合意するに至った。

 しかし、買取り価格の協議に応じないままである。
 本件建物は全てが完成しておらず、
 私は、完成引渡しもしてもらえていない。

 また、おまかせ建設会社は、
 私から設計の依頼を受けて実施したにも関わらず、
 設計図一式を私に提出しない他、
 請負会社として発注者である私に対して
 提出すべき多くの重要な必要書類の提出も行っていない。

2.建物の安全性に対する疑問

 梁の位置が打合せ図面の位置よりも約3Ocmずれていたり
 打合せ図面に記載されている
 構造スリットが設けられていない部分があったりするなど
 建物の安全性が保障できない部分が多数ある。

3.再々度の強い要請に対する無視

 上記の私からの要請に対して
 おまかせ建設会社は
 回答及び工事に関する重要な資料も提出しないので、
 私は書面で次のことを強く要求した。

①設計図などの次の重要書類の提出を求める。

 1)設計図一式
 2)確認通知書の副本
 3)契約工事費の内訳明細書
 4)追加・変更工事費の内訳明細書
 5)住宅瑕疵担保履行法に基づく保険加入等の証明

②買取り価格を承認する旨の表明を求める。

 私は、おまかせ建設会社が本件建物の工事に関して
 建築関係法令等に反する行為が多く存在することについて、
 行政上の指導を要請するための書面を提出した。

 その後、私は、担当部局から
「確かに疑問も多いので調査する」
 という旨の連絡を受けている。

 私は、度重なる要請にも関わらず
 おまかせ建設会社が何らの対応もしないので、
 やむなく、簡易裁判所に対して
 おまかせ建設会社を相手方として調停の申し立てを行い、
 円満解決することを目指した。

 ところが、簡易裁判所における調停期日に
 おまかせ建設会社が出席せず、
 調停は不成立になった。

 私が調停の申立てを行ったことを
 知ったおまかせ建設会社は、
 私を提訴した。

 その内容は以下の2つである。

A.渡辺は、おまかせ建設会社に対し
  約5000万円強を支払え
 (追加料金と、まだ支払っていない金額の合計らしい)。
  及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から
  支払済に至るまで年6分の割合による金利も支払え。
B.訴訟費用は渡辺の負担とする。

 このことは、不誠実極まりない行為であり
 おまかせ建設会社は
 設計監理業務契約及び工事請負契約上の
 数々の重大な背信行為を重ねた上で、
 何らの解決も図ろうとしない。
 悪質な業者と言わざるを得ない。